素晴らしき未来:合言葉は「カーボンニュートラル」
パリ協定5周年を、前向きなムードで記念
信じられないかもしれませんが、世界は、良い方向へ向かっています。気候変動問題への取組みにおいて、世界中で気運が高まっているのです。この歓迎すべき潮流は、来年さらに強まると予想されます。
今月中旬、この問題に関する首脳会議がオンライン形式で行われました。パリ協定の採択5周年を記念したものです。この会議が示したのも、総じて前向きなムードでした。「今世紀末まで、産業革命前に比べた世界の気温上昇を2℃未満に保つ」との同協定の目標が、達成可能なものに見えてきたからです。
温室効果ガスの削減は、現時点では不十分
5年前、196か国が参加した枠組みとして、パリ協定は喝采を浴びました。しかしその後も、温室効果ガス削減に向けた各国の取組みは十分でなく、既存の対策では、目標達成は困難です(図表1の①)。
しかも昨年、憂慮すべきことが起こりました。米国のトランプ政権が、パリ協定離脱を決めたのです(今年11月に正式離脱)。温室効果ガス排出量で、米国は世界第2位です。また、オバマ前政権のもとで、パリ協定締結を率先して推進したのが米国です。その国の離脱は、同協定への大打撃に見えました。
米中の動きを受け、パリ協定は勢いを回復
しかし、パリ協定は息を吹き返しました。大きなきっかけの一つは、11月の米大統領選で、就任当日のパリ協定復帰を公約とするバイデン氏が、気候変動を軽視するトランプ氏の再選を阻止したことです。
その前の9月には、中国が世界を驚かせました。2060年までにカーボンニュートラルを実現する旨、習主席が突如宣言したのです。中国は温室効果ガス排出量で世界第1位ですが、人口あたりでは、日米ほどではありません(図表2)。そうした事情から、これまで、排出削減の本気度が疑われていたのです。
日本なども、カーボンニュートラルを表明
カーボンニュートラル(炭素中立)は、ネット・ゼロ・エミッション(純排出ゼロ)とも呼ばれます。これは二酸化炭素などの排出量を減らした上、残る排出を、森林や様々な技術で全て吸収することです。
最近、それに向けた意欲的な目標を、各国が競い合うかのように表明しています。10月には日本と韓国が、2050年までの炭素中立を目指すと表明しました。欧州連合(EU)や英国も、同様の目標を表明済みです。来年1月に就任するバイデン次期米大統領も、2050年までの炭素中立を目標に掲げています。
コロナウイルスにより、自然の脅威を痛感
それらの意欲的な炭素中立目標が全て達成されれば、パリ協定の目標達成が、ようやく視野に入ってきます(図表1の②)。今月の5周年会議で示された前向きなムードには、そのような背景があります。
コロナウイルスの経験も、気候変動問題への取組みに勢いを与えています。自然の脅威に対し、人間はもっと謙虚になるべきだと、この経験で各国が思い知ったのです。実際、気候変動は、疫病以上に恐るべき問題です。しかし、これをめぐる最近の盛り上がりは、地球の素晴らしい未来を予感させます。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/topics/
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会