中国株バブル再来か?:それとも、今回は違うのか?

2020/07/13

突然の投資推奨で株高加速

中国株は、大きなバブルの発生・崩壊を二度経験しました(2008年と2015年に崩壊、図表1)。そして今、バブルがまた始まったのかもしれません。これは、三度目のバブル崩壊に終わるのでしょうか。

今回も、中国特有の出来事が株高に拍車をかけました。7月6日、国営メディアが、株式投資を推奨する論説を突然掲載したのです。景気回復の勢いをつけるべく株高へ誘導したい、との政府の意向を表しているのでしょう。そうした思わくで、中国の株価指数は今月、約14%上昇しています(10日時点)。

よみがえるバブルの記憶

これをみると、2015年のバブルが想起されます。そのときも、国営メディアが投資推奨をさかんに行いました。それに乗じた個人投資家の投機に主導され、株価指数は、6か月で約2倍になりました。

当時、個人投資家の多くは、借入れ資金を株式に投じました(信用取引)。政策金利が引き下げられていたため、借入れの容易な環境だったのです。ただし、経済成長率は低下していました。そうした状況での株価急騰はやはりバブルであり、崩壊は時間の問題でした(事実、株価指数は1か月で約30%下落)。

「今回は違う」と言える多くの理由

ただし、その後、信用取引の規制が厳格化されました。その影響もあり、現在、個人投資家による信用取引の残高は、2015年のピーク時に比べ約半分です。そのため、当時ほどの過熱感はありません。

今回の株高は、実体経済面からも正当化し得ます。実際、コロナウイルスを制御した中国は、他国に先駆けて景気拡大期に入っています。今年の生産水準は、小幅ながらも昨年を上回る見通しです。この点、来年になっても「コロナ前」の生産水準を下回るとみられる、ほかの国々とは対照的です(図表2)。

相対的な割安感と投資家の行動

また、中国株は米国株に比べ割安です。足元、一株あたりの企業利益に対する株価(PER、倍数が小さいと割安)は、米国株が予想利益の約25倍、中国株が約16倍なのです(代表的な株価指数ベース)。

中国株の上昇を正当化する材料は、ほかにも挙げられます。昨年には、米企業(MSCI)が作成している新興国株指数において、中国株の配分比率が引き上げられました。この結果、同指数に連動した、もしくはそれを上回る運用実績を目指す機関投資家は、中国株投資を追加せざるを得なくなっています。

中国の優位性が鮮明に

さらには、コロナウイルスの制御にひとまず成功したこと自体が、投資家に安心感を与えています。北京などで再感染の動きも散見されますが、局地的な動きにすぎず、かつ、果断に封じ込めています。

このことは、コロナウイルスの感染が再拡大している米国と、明確な対照をなしています。要するに、何かと比較される米中ですが、景気の勢い、株価の上昇余地、健康危機への対応に関し、今は中国の優位が鮮明です。よって今回ばかりは、中国株の上昇傾向は、より安定的なものになる可能性があります。

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=8&type=topics

 

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
しんきん投信「トピックス」   しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融市場の注目材料を取り上げつつ、表面的な現象の底流にある世界経済の構造変化を多角的にとらえ、これを分かりやすく記述します。
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会

このページのトップへ