来年の米大統領選:もし民主党候補者がトランプ氏に勝ったら

2019/10/21

大統領選まで約1年

米大統領の「ツイート(インターネット上の投稿)」を点検するのが、金融市場参加者の日課となっています。この奇妙な日常は、あと1年で終わるのでしょうか。それとも、5年ほど続くのでしょうか。

つまり来年11月の大統領選で、トランプ大統領は敗北を喫するのでしょうか。それとも見事再選を果たし、2期目に入るのでしょうか(憲法上、任期は2期8年まで)。ポイントは第一に、米国の景気です(好景気局面では現職が有利)。第二に、対抗馬となる民主党候補者として、誰が選ばれるか、です。

バイデン氏の安心感

第二の点については、討論会や予備選を経て、来年7月に候補者が正式指名されます。その争いが熱気を帯びてきました(図表1)。現在の有力候補3名に関し、ここで整理しておくことが有益でしょう。

これまで指名争いをリードしてきたのは、ジョー・バイデン氏です。同氏はオバマ政権時に副大統領を務めた人物であり、過激な政策は打ち出さないだろう、という安心感が高支持率の源泉です。同氏が指名され、そして大統領選でトランプ氏を破った場合、金融市場は総じてこれを好感するとみられます。

ウォーレン氏の見識

ただ、「バイデン大統領」では、米国の根本問題が手つかずとなる可能性があります。貧富の格差、少数の企業による市場支配などのことです。それらの是正を訴えるのが、エリザベス・ウォーレン氏です。

同氏は、指名争いでバイデン氏を猛追しています。その勢いをみると、最有力候補は今やウォーレン氏だと言えます。各政策への高い見識が、特に中間所得層から支持されているのです。ただ、ウォール街(巨大金融機関)批判の急先鋒なので、市場では「ウォーレン大統領」への警鐘が聞こえてきました。

サンダース氏の熱意

ウォーレン氏は左派(リベラル)に位置づけられますが、さらに左寄りで、社会主義者とすら言われるのが、バーニー・サンダース氏です。78歳の現在も熱意にあふれ、若年層における人気は絶大です。

同氏は、社会の不正を憎む点でウォーレン氏と同様です。国民皆保険の導入や超富裕層への増税など、公約の共通点もあります。しかしより明確な左派なので、「サンダース大統領」が誕生すれば、歴史的意味としてはトランプ大統領誕生を超えるかもしれません。この場合、金融市場は戸惑うばかりでしょう。

トランプ氏は異質

3名とも個性的な人物で、トランプ氏を破る可能性を有しています(図表2)。ただし、米国は独裁国ではありません。左派の大統領が誕生したとしても、過激な政策は、議会や裁判所に阻まれるはずです。

トランプ大統領が異質なのは、ルールや慣行を顧みない点です(衝動的な関税発動など)。一方、バイデン氏はもちろん、ウォーレン氏やサンダース氏も、法やルールを当然尊重します。よって、この3名中の誰かがトランプ氏に勝ったら、市場参加者は、日々のツイート点検作業からは解放されるでしょう。

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=8&type=topics

 

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