地球温暖化問題:もっと「クール」に

2019/10/01

地球が暑すぎる

人間も自然の一部です。そのため、自分の属する環境に異変が起こっていることは、感覚的に、あるいは本能的にわかります。いま盛り上がっている環境運動は、そうした本能に根差したものと言えます。

中でも地球の温暖化は、世界の平均気温(図表1)などに関する客観的なデータでも明らかです。温暖化の結果は、例えば氷河・氷床の融解による海面上昇(→洪水や浸水の増加など)です。原因は、「石油や石炭など化石燃料の使用→二酸化炭素など温室効果ガスの蓄積」という関係に求められるでしょう。

若年層が団結

9月、温暖化対策を訴えるデモが150か国以上で行われました。特に若年層を突き動かしているのは、自分たちの未来が危ういという切迫感、良いことをしたいという正義感、無責任な大人への怒りです。

一斉デモが示すとおり、気候変動が人類にとって最大の脅威の一つであることは、世界の共通認識になりつつあります。この問題に背を向ける米国のトランプ政権のような例外もありますが、そのような姿勢では、世界で信用を失うだけです(ただし、米国でも多くの地方政府・企業は温暖化対策に前向き)。

経済面の影響

温暖化は、経済の観点でも有害です。最近の研究では、有効な対策が打たれず今世紀末まで温暖化が進んだ場合、世界の一人あたり経済規模(GDP)は約7%押し下げられる、とのことです(図表2)。

こうした予測は不確実ですが、異常気象が経済にマイナスの影響を及ぼすことは、間違いありません。実際に、熱波や干ばつ、海水温の上昇などの悪影響は、農業や漁業において多数報告されています。また、健康の悪化や交通インフラの劣化などを通じ、製造業やサービス業の生産性低下も避けられません。

対策が進まない理由

温暖化の脅威は、何十年も前から警告されています。温室効果ガスの排出削減(クリーンエネルギーへの移行)が必要、との認識も世界の主流です。にもかかわらず対策が鈍い理由は、三つほどあります。

第一に、温暖化で直ちに地球が滅亡するわけではないので、若年層を除き当事者意識が薄いことです。第二に、温暖化の原因は人間の活動ではない、といった異説がまだ存在することです。第三に、エネルギーの移行を急ぎたくない石油・石炭会社や電力会社などの政治的発言力が、極めて大きいことです。

「温暖化対応はクール(格好いい)」は間違っていない

それでも各国は、化石燃料からの脱却を促す策を決然と進められるのでしょうか。有望なのは炭素税(化石燃料の使用への課税)ですが、これは短期的には企業や人の負担となるため、産業界が慎重です。

抵抗を打ち破るのは、環境に無頓着な企業は支持しない、という消費者や投資家の決意です。この点、日本は欧州などよりも遅れています。しかし、良くも悪くも感覚や風潮次第の国なので、温暖化への取組は(小泉環境相の言葉を借りると)「クール」だ、という風潮が広がれば、対策も加速するでしょう。

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=8&type=topics

 

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