来週の金融市場見通し(2017年8月14日~2017年8月18日)
■来週の見通し
北朝鮮が小型核弾頭の生産に成功していると伝えられたことを受け、トランプ米大統領が「炎と怒りに直面することになる」と警告するなど、北朝鮮情勢が緊迫化しています。北朝鮮軍は、グアム島周辺への包囲射撃作戦を検討中と発表。作戦の計画を8月半ばまでに完成し、金正恩労働党委員長の承認を得るため提出するとしています。北朝鮮の建国記念日(9月9日)までは、緊張が続く可能性があります。来週は、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されます。ただ、米金融政策については、24日~26日のジャクソンホール会議での金融当局者の発言を待つ必要がありそうです。
◆株価 : 落ち着き待ち
こう着状態が続いていた国内株でしたが、北朝鮮情勢の緊迫化を受け、日経平均株価は2か月半ぶりの安値まで下落しました。4-6月期の企業決算はおおむね良好ですが、軟調なドル円なども重し。これまでは、地政学リスクで急落してもすぐに回復するケースが多く、買い場との見方もできますが、情勢が落ち着くまでは動きにくそうです。24日~26日にドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の講演が予定されているジャクソンホール会議が控えており、様子見姿勢も広がりそうです。
◆長期金利 : 一段の緊迫化なら低下余地を探る
週前半は、長期金利は0.065%~0.070%の非常に狭いレンジでの動きも、北朝鮮情勢の緊迫化を受けて0.055%と、1か月半ぶりの水準まで低下しました。30年国債入札は無難な結果で、影響は限定的。米長期金利が2.25%前後で落ち着いていることは安心材料。米金融政策については、11日の米消費者物価指数や16日のFOMC議事要旨で、年内の利上げの有無を占うことになります。北朝鮮情勢が一段と緊迫化した場合には、長期金利が低下余地を探ることも想定されます。
◆為替 : 上値は重そう
ドル円は、北朝鮮情勢の緊迫化を受け、109円56銭まで下落したものの、すぐに110円に戻る動き。米金融政策は米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート(保有資産)縮小は9月が既定路線。ただ、利上げについては微妙な状況。11日の米消費者物価指数や16日のFOMC議事要旨で、年内の利上げの有無を占うことになります。もっとも、ジャクソンホール会議での金融当局者の発言を確認するまでは動きにくそうです。トランプ陣営のロシア疑惑の捜査も気になるところです。
■来週の注目点
GDP統計(17/4-6月期、1次速報) 8月14日(月)午前8時50分発表
日本の実質国内総生産(GDP)成長率は、1-3月期に前期比年率1.0%と低めの伸びにとどまった後、4-6月期は同2%台へ高まるものと見込まれます。その場合、6期連続のプラス成長となります。
需要項目別では、個人消費の緩やかな回復が示されそうです。また、企業の好業績を背景として、製造業を中心に設備投資も底堅さを保つとみられます。さらに、公共投資の増加もGDPの伸びに寄与する見込みです。一方、輸出については、1-3月期まで3期続けて高めの増加を記録した後、4-6月期は一旦、減速が見込まれます。
今年後半についても、緩やかな経済成長が継続すると予想されます。特に、円安の一服や低インフレの継続による実質所得の安定が、消費を支える見込みです。また、世界景気の拡大を背景に、輸出や設備投資も増加基調を維持しそうです。
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