来週の金融市場見通し(2017年6月19日~2017年6月23日)
■来週の見通し
米連邦準備制度理事会(FRB)は、予想どおり追加利上げを決定しました。あわせて、年内にバランスシートの正常化(保有資産の縮小)を開始する方針を示しました。日銀は現状維持を決定。また、黒田日銀総裁は、出口(異次元緩和策の終了)について述べるのは時期尚早としました。来週は、フィッシャーFRB副議長らの講演、国内では黒田総裁の全国信用金庫大会での挨拶や岩田副総裁の講演が予定されています。米国では利上げに強気の姿勢が示されるかどうか、国内では出口について踏み込んだ発言があるかが注目されます。フランス下院選挙の結果も確認したいところです。
◆株価 : 一進一退
日経平均株価は、一進一退の中、利益確定売りがやや優勢になり、じりじりと下落する動き。ただ、週末にはドル円が大幅に上昇したことや、日銀が金融緩和策の現状維持を決めたことなどを好感し、下げ幅を縮小する動きになりました。今期の企業業績は堅調見込みで、下落する場面では押し目買いが強まることから、底堅い動きが見込めるものの、2万円台定着には、手掛かりに欠ける状況。米金融当局者の発言などで、ドル高・円安に振れると、上昇余地を探る可能性も。
◆長期金利 : レンジ継続
長期金利は、0.05%~0.06%の非常に狭いレンジでの動きになりました。FRBは追加利上げを決定、また年内のバランスシート縮小を開始する方針を示しましたが、国内債は反応薄。日銀は金融政策の現状維持を決めました。年間80兆円をめどとする長期国債の買入れ額についても変更なし。黒田日銀総裁は、出口については具体的な手法・順序を示すのは難しいと述べ、出口まではまだ遠いことが印象付けられた格好です。米金利をにらみながらも、方向感は出にくそうです。
◆為替 : 方向感を探る
ドル円は、5月の米小売売上高が前月から減少したことや消費者物価指数が伸び悩んだことを受けて、米利上げ決定にもかかわらず、一時108円台まで下落しました。ただ、英中銀で利上げ支持が増えたことで、米国の利上げが意識されたことや、ニューヨーク連銀製造業景況感指数などが予想を上回ったことを受け、111円前後まで上昇しました。FOMCが終了し、来週は手掛かりに欠け動きにくそう。日米の金融当局者の発言を確認しながら、方向感を探ることになりそうです。
■来週の注目点
貿易統計(5月) 6月19日(月)午前8時50分発表
貿易収支は4月まで3か月連続で黒字となった後、5月は黒字額の縮小が予想されます。とはいえ、引き続き底堅い輸出動向が確認される見込みです。
アジア向けの半導体関連などを中心に、輸出額は4月まで5か月連続で前年比プラスとなっています。ただ、中国経済の拡大は鈍化する可能性が高いことから、日本からの輸出は今後、増加ペースが鈍るものと予想されます。また、輸入額については、資源価格の回復を背景に、前年比プラスが続く見通しです。
これらより当面、貿易黒字の縮小傾向が見込まれます。もっとも、この結果、トランプ米政権による日本の貿易黒字への批判がトーンダウンする可能性があります。これに伴い、円高圧力が和らぐ可能性もありそうです。
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