来週の金融市場見通し(2016年8月1日~2016年8月5日)
■来週の見通し
米連邦準備制度理事会(FRB)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決めました。声明文では、「短期的な経済見通しへのリスクは低下した」とし、年内の利上げの可能性は残った格好。一方、日銀は、金融政策決定会合で上場投資信託(ETF)の購入額を倍増させましたが、マイナス金利の拡大や、他の資産の買入枠の増額などは見送られ、小粒の追加緩和の印象。8月2日には、事業規模28兆円を上回るとされる大型の経済対策が閣議決定される予定です。今回の金融緩和が、政府の取り組みと相乗的な効果を発揮するか確認していく必要があります。
◆株価 : 日銀の買いは支え
29日、日銀の追加緩和を受け上下動したものの、ETF買入れが倍増したことを好感する形で、日経平均株価は前日比92円高で引けました。ただ、他の緩和策が見送られたことからドル円が103円台に下落し、無理やり株価を押し上げた格好。来週は、日銀の決定を好感する動きが継続するか、大型の経済対策でサプライズがあるか、英中銀が利下げに踏み切るかなど、材料が豊富。また、本格化している企業決算発表も確認していく必要があります。
◆長期金利 : 金融政策の影響見極め
長期金利は日銀の追加緩和への期待から一時マイナス0.295%と過去最低に迫っていたものの、日銀がマイナス金利の拡大、長期国債買入れの増額を見送ったことを受け、急上昇しました。マイナス金利や長期国債買入れが限界に近づいてきているとの見方が一段と広がると、長期金利は低下しにくくなりそうです。政策金利であるマイナス0.1%に近づく可能性も出てきます。もっとも、日銀の巨額の国債買入れは継続しています。追加緩和期待が後退した後の居所を探ることになります。
◆為替 : 米雇用統計待ち
日銀が、マネタリーベースやマイナス金利の拡大を見送ったことから、ドル円は一気に103円台まで下落しました。日銀への過度の期待はできないとの見方から、経済対策や米金融政策に材料が移ることになります。来週は、経済対策の閣議決定の他、海外では4日に英中銀の会合、5日には米雇用統計の発表が予定されています。英中銀が利下げに踏み切ると、リスク選好から、逃避通貨である円が売られることも想定されます。ただ、週末に米雇用統計を控え、様子見姿勢も強まりそうです。
■来週の注目点
米雇用統計(7月) 8月5日(金)午後9時30分発表
米国の非農業部門雇用者数は、6月に前月比28.7万人増と、昨年10月以来の大幅な伸びを示しました。ただ、7月は20万人を下回る増加にとどまる見込みです。
雇用情勢は底堅いとみられるものの、4~6月の3か月を平均すると、雇用者数は前月比14.7万人増と、好不調の境目とされる20万人を下回っています。また、6月の平均時給が前月比0.1%増にとどまるなど、賃金の伸びは勢いを欠いています。
こうした中、今月27日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)では、雇用などに関し、やや強気な判断が示されました。今回の雇用統計が予想以上に良好な結果となった場合には、9月に利上げが行われるとの観測が増えそうです。
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