来週の金融市場見通し(2023年11月13日~2023年11月17日)

■来週の見通し

10月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が一旦後退しました。ただ、パウエルFRB議長が、金利がインフレとの戦いを終わらせるのに十分高い水準に達しているとは確信していないと述べ、追加利上げへの警戒が意識されることとなりました。他方、日銀は粘り強く金融緩和を継続する姿勢を示しています。来週は7-9月期の国内総生産(GDP)に加え、10月の米消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)なども確認したいところです。

◆株価 :上値の重い展開が継続か

日本株は、上値の重い展開が継続しそうです。今週の日経平均株価は、一時32,000円台後半に上昇したものの、その後は利益確定売りに押される動きが優勢となっており、足元の米長期金利の上昇などを受け、来週も上値を追う動きは限定的となりそうです。ただ、14日発表の米CPIが鈍化し、FRBの利上げ終了期待が高まると、市場は好感しそうです。また、15日発表の国内の7-9月期のGDPが堅調な内容になれば、株価を押し上げそうです。

◆長期金利 :米金利にらみ

前週末発表の米雇用統計を受け、FRBの利上げ局面は終了したとの見方が強まり、国内の長期金利は一時0.83%まで低下しました。30年国債入札が堅調な結果になったことも、金利を押し下げました。ただ、パウエルFRB議長の発言がややタカ派と受け止められ、国内の金利も上昇する動きになりました。日銀が粘り強く金融緩和を続ける姿勢を示す中、米金利をにらんだ動きが続きそうです。5年国債入札も確認したいところです。

◆為替じりじりと上値模索

ドル円は、じりじりと上値余地を模索する展開となりそうです。10月の米雇用統計の結果などを受け、米長期金利が低下したことで、ドル円は一時149円程度まで下落しました。しかし日米金利差は依然、ドル円を下支えするものとみられ、ドル円の下落余地は乏しく、上値模索の流れは続きそうです。他方、米長期金利上昇が一服する中、ドル円の上昇スピードによっては、投機的な動きと判断され、日銀の実弾ドル売り介入の可能性もありそうです。

◆Jリート :戻りを探る

東証REIT指数は、1,800ポイント台前半でのもみ合いの中、やや売りに押される動きになりました。米長期金利がひとまずピークアウトしてきていることや、国内の長期金利も0.9%を下回って推移していることは安心材料です。引き続き、資産価格と比べた割安感などから、底堅い動きが見込まれます。10月の米CPIでインフレ鈍化が確認されると、米追加利上げへの警戒が後退し、投資家心理が上向くことも想定されます。

来週の注目点

GDP統計(23/7-9月期) 11月15日(水)午前8時50分発表

実質国内総生産(GDP)は、4-6月期に前期比年率4.8%増と、3四半期連続でプラス成長になりました。自動車などの輸出が増加した一方、原油などの輸入が減少したことが、実質GDPを押し上げました。

7-9月期の実質GDPは、前期の反動減や個人消費の低迷などによりマイナス成長になることが見込まれます。物価高が個人消費の重しとなりそうなほか、海外経済減速による輸出の停滞が見込まれるため、当面緩やかなGDP成長にとどまると予想されます。

米消費者物価指数(10月) 11月14日(火)午後10時30分発表

9月の米消費者物価指数(CPI)は、総合で前年比3.7%の上昇となり、前月並みとなりました。また、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前年比4.1%の上昇となり、前月から伸びが鈍化しました。

米連邦準備理事会(FRB)が進めてきた利上げなどの影響を受け、インフレは緩やかながら鈍化しつつあるようです。また、米労働市場は過熱感がやや後退しているとみられることや、原油価格もやや弱含み傾向であることなどから、緩やかなインフレの低下は今後も続きそうです。10月は総合で前年比3.3%程度、コアは同4.1%程度の伸びを想定しています。

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