来週の金融市場見通し(2022年10月31日~2022年11月4日)

■来週の見通し

米連邦準備制度理事会(FRB)が11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、その次の12月会合での利上げ幅縮小を協議すると伝わったことから、投資家心理がやや上向いています。他方、欧州中央銀行(ECB)は9月に続き通常の3倍となる0.75%の利上げを決めましたが、利上げペースの鈍化観測も広がりました。来週のFOMCでも0.75%の大幅利上げ継続が決定されるとみられますが、利上げペースの減速が示唆されるかが注目されます。国内企業の決算発表や週末の米雇用統計も確認したいところです。

◆株価 :緩やかな上昇基調に

日本株は、緩やかな上昇基調が予想されます。12月以降に米国における利上げペースが減速するとの期待が、内外株価を支える見通しです。日銀が金融緩和策を維持していることや、国内景気の回復が続くとみられることも、日本株の好材料となりそうです。とはいえ、米国や欧州の景気減速懸念は依然として大きいほか、中国株の動きが足元やや不安定になっています。そうした中、海外で多数発表される経済指標には、引き続き要注意です。

◆長期金利 :FOMC待ち

長期金利は日銀が許容する上限の0.25%に張り付いた動きが続いていましたが、FRBが12月以降の利上げペースを減速させるとの観測に加え、ECBについても利上げ鈍化観測が広がったことから、週末はやや低下する動きになりました。日銀金融政策決定会合では現行の強力な金融緩和策が維持され、長期金利の上値は限定的です。来週のFOMCで利上げペースの減速が示唆されると、国内金利の上昇圧力が和らぐことも想定されます。

◆為替 :レンジ内で方向感模索

カナダ中央銀行の利上げペース減速やECBのハト派化などを受け、市場では米国の利上げペース減速への期待が高まっています。それを受け、米長期金利が3.9%程度に低下する中、ドル円も一時145円台前半まで下落するなど、上値の重い状況です。とはいえ、日銀の金融緩和政策は今後も堅持されるとみられ、また、国内の実需筋のドル買い需要も想定されることから、ドル円は当面、レンジ内で方向感を模索する展開となりそうです。

◆Jリート :戻りを試す

Jリート市場は、週初は続落して始まりましたが、以降は堅調な動きになり、東証REIT指数は1,900ポイントを回復しました。米利上げペースの鈍化観測から、米長期金利が低下していることは安心材料です。来週のFOMCで利上げペースの減速が示唆され、米長期金利が一段と低下すると、買いが強まることも想定されます。予想分配金利回りは3.7%前後と相対的に高い水準で、値ごろ感も残ります。戻りを試す動きが続きそうです。

来週の注目点

鉱工業生産指数(9月、速報値) 10月31日(月)午前8時50分発表

鉱工業生産指数は8月に前月比3.4%上昇し、100.2(2015年=100)となりました。6月に中国の上海市で行動制限が緩められたことなどを受け部品不足が和らぎつつある中、3か月連続で前月比上昇となりました。8月は、特に生産用機械工業などの上昇が顕著でした。

9月の鉱工業生産指数は、前月比で小幅な低下が見込まれます。前月までの上昇の反動のほか、海外景気の低迷に圧迫されたとみられます。とはいえ、部品不足の緩和に加え、新型コロナウイルスの感染者減などに伴う国内景気の回復基調を背景に、底堅さも示されそうです。

米雇用統計(10月) 11月4日(金)午後9時30分発表

9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比26万3,000人増となり、市場予想を上回りました。また、失業率は3.5%と、前月の3.7%から低下しました。平均時給は前月比で0.3%増加しており、インフレ高進が続き、米景気の減速懸念がある中でも、米国の労働市場が引き続き堅調であることが示されました。

とはいえ、8月は求人件数の減少などもみられており、金融引締めの影響や米景気の減速懸念から、次第に雇用者数の伸びは鈍化する可能性があります。10月の非農業部門雇用者数は前月比20万人増程度、失業率は3.6%程度を想定しています。

 

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