ドル建て日経平均が200ドル突破

2017/11/10

連休明けとなった今週の日経平均も強い動きを見せています。11月9日(木)の取引開始直後にはついに23,000円の大台に乗せています。9月8日の19,239円を底に始まった日経平均の上昇基調は約2カ月続いているわけですが、目立った押し目もなく、ほぼ一本調子で3,700円ほど水準を切り上げたことになります。

 

これまでの日本株買いの主力エンジンは外国人投資家ですが、今週(7日)、ドル建ての日経平均が200ドルを超えたと報じられました。200ドル突破は1996年7月以来ですので、実に21年3カ月ぶりです。一般的に、外国人投資家はドルを円に換えて投資するため、ドル建て日経平均に対する注目度は高いとされています。別の言い方をすれば、外国人投資家はドル建て日経平均を見て日本株を評価している面があります。

 

仮に、私たちが普段から接している円建ての日経平均が10%上昇しても、ドル円の為替レートがそれ以上に円安方向に進んでしまうと、ドル建て日経平均は下落してしまうことになります。つまり、円安によって国内企業の業績期待が高まり、円建て日経平均が上昇しても、ドル建て日経平均はあまり上昇しないという展開は珍しくありません。ただ、足元の状況は為替の円安進行ピッチよりも日経平均の上昇ピッチの方が大きくなっているため、結果としてドル建て日経平均が上昇している格好です。

 

ちなみに、ドル建て日経平均200ドルという水準は、過去において相場の天井となることが多い節目として意識されています。ITバブルが崩れた2000年4月直前のドル建て日経平均は200ドルに迫っていましたし、冒頭で紹介した1996年、そしてさらに遡った1994年も200ドル超えをピークに株価が調整局面入りとなっています。そのため、引続き外国人投資家の買いが続くかが注目されます。今週末はオプション・mini先物取引のSQが控えているため、力技で23,000円に乗せた可能性もあり、少し注意深く見極める必要がありそうです。

 

また、日本株買いの材料となっている国内企業の業績期待決算発表シーズンは今週でピークを超えます。以降は、米国の動向(税制改革、クリスマス商戦、次回FOMC:米連邦公開市場委員会)が注目されそうですが、まだ少し先の話になるため、しばらくは相場の材料が乏しい「狭間の時期」に差し掛かるため、相場上昇が一服するタイミングとして意識されるかもしれません。

 

これまでの急ピッチな株価上昇の波に乗れなかった投資家にとっては、株価上昇の一服や調整局面は絶好の買い場として待ち遠しいですが、調整後の株価が思ったよりも上昇しない可能性があり、「今の強気ムードにはとことん乗っても良いが、伸び悩んでからは少し慎重に見たほうが良い」のかもしれません。

 

 

 

 

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