相場の「次のステージ」は近いのか?

2017/11/03

連休を控えて4営業日となる今週も日経平均は強い動きを見せています。特に、11月1日(水)の終値は前日比で408円高となる22,420円となりました。

 

この日の上昇に弾みをつけたのは、前日の米株高や為替の円安、20年ぶりに営業利益が過去最高を更新する見通しとなったソニーなどの好業績、午後の衆院本会議で安倍首相が選出されたことなどです。

 

「月初の日経平均は上昇する」記録を17カ月に伸ばしたほか、株価水準も1996年7月以来、約21年ぶりの高値を更新しました。上昇率も1.95%と勢いを持って高値を更新している印象です。日経平均は9月8日を底に急ピッチな上昇基調を描き続けていますが、気が付けば1996年6月のバブル崩壊後の戻り高値である22,666円も視野に入りつつあります。

 

一般的に、相場のサイクルは4つのステージに分けられます。底打ちや低迷期の第1ステージ、上昇トレンドの第2ステージ、上昇トレンドが頭打ちとなる天井圏の第3ステージ、そして下落トレンドの第4ステージとなるわけですが、現在の日経平均はまさに第2ステージの真っ只中です。

 

また、4つのステージのうち、最も利益が狙いやすいのはこの第2ステージです。とりわけ上昇トレンドの基調が強いときには「稼げるうちに稼ごう」というムードが高まりやすくなります。過去につけた高値や節目の株価水準を上抜けるのはもちろん、過熱感や高値警戒が指摘されながらも上昇していくこともしばしば見受けられます。

 

普通であれば、「今から買って高値づかみにならないか?」と不安になりがちです。実際に、NF日経レバレッジ型ETF(銘柄コード:1570)の信用取引状況を見てみると、買い残高よりも売り残高の方が多い、いわゆる「売り長(うりなが)」の状況が続いています。ただ、日経平均が節目を次々と突破する中で、「さすがに天井だろう」と思って売り建てのポジションを組んでも、踏み上げられてしまう格好になっています。

 

つまり、強いトレンドが発生している時は、「たとえ株価が行き過ぎたとしても、いずれ調整局面を迎えて適正な水準に戻るので、上昇が続いている限りはその流れに乗ったほうが良い」というわけです。株価水準が「高いか安いか」ではなく、相場が「強いか弱いか」で判断されがちになります。

 

しばらくは、第3ステージ以降の「次のステージ」の到来を警戒しつつ、上昇トレンドに乗るという状況が続きそうです。その一方で、トレンドは上値と下値を切り上げながら形成していくものですので、まずは、この形成パターンが崩れたときや、株価が移動平均線を下抜けたとき、そして株価が上昇した日と下落・伸び悩んだ日の取引量を比較して、後者の方が多い日が増え始めた時など、「トレンド変化の兆し」を見逃さないことが重要になります。

 

また、国内企業の相次ぐ不祥事や、米NYで発生したテロと思われる事件の発生、地学的情勢や米国税制改革法案への楽観視など、リスクに対して鈍感になっているムードの変化にも注意が必要です。

 

 

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