日銀短観で業績期待は高まるか?
10月相場入りとなった今週の国内株市場ですが、日経平均は直近の上値の目処になっていた20,500円の節目を上抜けし、年初来高値を更新する場面を見せるなど、強めの動きとなっています。北朝鮮情勢の膠着状態、米国経済と同国株式市場の好調、国内企業の業績期待などが買いにつながっています。
また、国内政治(衆議院選挙)の動向も、まだ不透明かつ流動的なところもあって、今のところ積極的な買い材料になっているとは言えませんが、「過去の解散総選挙時は株高の傾向が多い」という経験則を背景に、日本株の売りポジションが巻き戻され、株価水準を引き上げる支援材料になっていると思われます。
そんな中、今週2日に日銀短観が発表されましたが、大企業製造業の業況判断DIの結果が22と、市場予想の18を大きく上回り、4四半期連続で改善し、10年ぶりの高水準となりました。製造業大企業だけでなく、中堅企業や中小企業もDIが上昇しています。一方の非製造業のDIは大企業で23と横ばいでやや足踏みしているものの、総じて強い結果だったと言えます。
日銀短観のDIは決算発表の先行指標とされることも多く、これから本格化する決算発表は好調が見込まれます。さらに、大企業製造業の想定為替レートは1ドル=109.29円と、足元の水準よりも円高であることも業績上振れの期待感を高めそうです。
「業績の秋」が良いムードで深まりつつありますが、外部環境は依然として不透明感が強いことにも留意する必要があります。国内選挙の勝敗と政策観測に加え、米国の動向(金融政策や税制改革などの議会審議)によっては、相場環境がガラリと変わってしまうことも考えられるからです。米株市場もNYダウなどの株価指数が最高値を更新するなど好調ですが、その分だけ調整局面が訪れた時の下落が大きくなる可能性があります。
また、個別銘柄でも選別が進みそうです。例えば、日経平均が年初来高値を更新する傍らで、村田製作所やアルプス電気などいわゆる「アップル関連銘柄」の株価が伸び悩んでいます。米アップル株の動きに連動しているためですが、11月発売予定の「iPhone X」の売上げでどこまで盛り返せるかも今後の焦点のひとつになりそうです。
さらに、最近のマーケットは北朝鮮の動きにあまり反応していませんが、太平洋上での水爆実験を示唆したり、ミサイル搬出の動きが観測されたりと、政治・外交的上の状況は確実に悪化しています。来週10日には北朝鮮労働党の創建記念日が控えていることもあり、いつ動き出すかわからない北朝鮮情勢も要警戒になります。
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