日本株の優位は続くか?
国内連休明けとなった今週の株式市場ですが、日経平均が年初来高値を更新するなど、連休を挟んでも好調を維持しています。チャートを遡ると、すでに昨年8月17日の高値(29,222円)をクリアし、次の上値として、2021年11月16日高値(29,960円)、同年9月14日高値(30,795円)などが目安になります。
目先の日経平均は、節目の3万円台に近い2021年11月の高値トライが意識されそうですが、TOPIXについては今週9日(火)の取引で2,097pの高値をつけていて、日経平均がその次の目安とされる2021年9月14日の高値の時期のTOPIXの株価(2,120p)に迫っています。
また、この時期の株式市場の状況を振り返ると、米国ではインフレ警戒が高まり、金融政策の引き締め転換観測や景気への悪影響が懸念されて、米国株市場が軟調な展開となっていた一方、日本国内については、新型コロナウイルスの新規感染者が減少傾向となり、経済再開(リオープン)期待が浮上してきたこと、自民党総裁選を前に次期政権に対する景気浮揚策への期待感が買い材料となって、先ほど述べたような日経平均やTOPIXの高値につながっており、米国株よりも日本株が優位となっていました。
足元の株式市場についても、日本株の相対的な出遅れ感や、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏の発言に見られるような日本株再評価の動き、米国株市場の先行き不透明感が強まる中でのリバランス買いなどを追い風にして、日本株がやや優位となっている印象があり、2021年9月の時と似ている面があります。
そのため、今後の相場展開を想定する上で、2021年9月以降の値動きがどうなったかを振り返ることはある程度の参考にはなりそうです。当時軟調だった米NYダウは9月下旬に底を打ち、株価の上げ下げを繰り返しながら、同年11月、そして翌年(2022年)の1月あたまに戻り高値を更新していきましたが、日本株はその動きについて行けず、その後は米金融引き締めと景気悪化懸念を織り込む格好で日米の株式市場が歩調を合わせる格好で下落トレンド入りしていくことになりました。
したがって、直近の日本株優位の展開があまり長く続きそうにないことをはじめ、現在の米国株市場が金融不安とそれに伴う景気悪化加速への不安がくすぶっていること、さらに、早ければ6月初旬にも訪れるとされる「債務上限問題」への注目も高まりつつあります。
債務上限問題については政治的な妥協次第という面があり、株式市場が早期解決へのプレッシャーとして、催促相場的な下落を見せることもあり得るため要注意です。確かに、米金利低下と決算を受けて、米大手IT企業株を中心に相場を支えてはいますが、一部の銘柄に資金が集中する株高は脆さも抱えています。
よって、相場が軟調に転じた際の下落幅には注意が必要となり、これまで功を奏してきた、株価が軟調なときの押し目買いが報われない事態も想定され、相場は難しい局面に入りつつあるのかもしれません。
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