米FOMC後に見せた相場の初期反応が意味するもの
今週の国内株市場ですが、米FOMC(連邦公開市場委員会)と日米の企業決算のイベントをにらみながらの展開となっています。
すでに、日米の主要株価指数はかなり下落しており、今週のイベント通過が「悪材料出尽くし」で反発となるのか、それとも「さらに下げが加速してしまうのか」を見極める局面にあります。また、日経平均の27,000円~28,000円のレンジは、昨年の日経平均が下げ止まった株価が集中している価格帯のため、ここを明確に下抜けてしまうと、もう一段階の株安シナリオが浮上するため、株価水準的にも正念場に差し掛かっています。
そのような中、米FOMC(連邦公開市場委員会)後を受けた26日(水)の米株市場は、NYダウとS&P500が続落する一方で、NASDAQが反発という初期反応を見せました。とりわけ、この日のNYダウの値動きを辿ると、前半は500ドルを超える上昇を見せていたのが、後半になって下落に転じるといった具合に、高値と安値の振れ幅が大きくなりました。前半の株価上昇は、マイクロソフトが発表した良好な決算と見通しが好感され、後半の株価下落については、パウエル米FRB議長の記者会見が進むにつれて進行しました。
実際のパウエルFRB議長の記者会見では、3月のFOMCでテーパリング終了と利上げ開始が示唆され、肝心の利上げ幅の拡大やQT(金融引き締め)の開始については、明確な言及が避けられました。内容自体は想定の範囲だったものの、曖昧な表現が却って早期実施に前向きと受け止められて株安の初期反応となってしまった印象です。また、一部で期待されていた、より「ハト派」的な内容ではなかったことに対する失望もあるかもしれません。
ただ、金融正常化の影響を大きく受けるとされるグロース株が多く集まるNASDAQについては、これまで株価が際立って下落していた分、マイクロソフトの決算が業績期待へとつながるきっかけとなり、これから決算を発表するアップルやアルファベット(グーグル)、メタプラットフォームズ(旧フェイスブック)へと買いが波及し、相場を支える格好となった模様です。引き続き、金融相場から業績相場へと移行する中で、大手IT・ハイテク企業決算が相場の底打ちサインとなるかが焦点になります。
来週から2月相場に入り、1月の株価急落の流れから落ち着きどころを探りたいところではありますが、足元の相場はウクライナ情勢をはじめとする地政学的要因も相場の懸念材料となっているため、急激な「リスクオフムード」が高まる展開には注意する必要があり、買い場を捉えるのが難しい状況が続きそうです。
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