日経平均の出遅れ修正はしばらく先か?
今週の国内株市場ですが、これまでのところ株価浮上のきっかけを掴み切れない状況が続いています。
国内企業の決算シーズンが本格化しており、業績を手掛かりに株価を上昇させるなど、物色される銘柄が増えてきてはいるものの、新型コロナウイルスの新規感染者数の増加が首都圏を中心に加速しつつあることや、米FOMC(連邦公開市場委員会)と、GAFAM(アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)の決算が相次ぐ米国株市場の動向にらみの面も影響している面があります。
FOMCの結果を受けた29日(木)の日経平均は上昇してスタートしましたが、株価水準自体は28,000円台の節目や200日移動平均線が意識されて、もたつきが目立つ展開になっています。その背景には、指数寄与度の大きい、ソフトバンク・グループとファーストリテイリングの株価が3月の高値から直近にかけて下落基調が続いていることが挙げられます。足元でも連日で年初来安値を更新する場面がありました。
その中でも、ソフトバンクについては投資会社の性格を色濃く帯びており、GAFAMなどのグロース株の動きだけでなく、有力な投資先である中国企業についても、最近になって当局による締め付けや規制の動きが活発化していることを背景に、米国に上昇している中国企業の株価が冴えない動きになっていることも足かせになっています。
また、両銘柄とも、足元で信用買い残が比較的多く積み上っていますが、日本株全体も7月第2週の信用買い残(2市場、制度・一般合計)が、2018年3月以来となる3兆6,000億円台まで増えています。日経平均が今年の高値をつけたのが2月16日でしたが、以降も買い残を積み上げてきたことになります。
つまり、まもなくやって来る8月はちょうど6カ月めに突入し、制度信用取引の期日が迫ってきていることになります。2018年当時は、株価が一定のレンジでもみ合いながら、ピークをつけた信用買い残を減少させていった経緯があります。
したがって、株価の上昇局面では戻り待ちの売りが出やすく、しばらくは需給的に株価の上値が重たくなるかもしれません。
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