荒れ模様の株式市場が示すのは次の上昇への布石か否か
今週の国内株市場ですが、これまでのところ軟調な場面が目立っています。
24日(水)時点での日経平均終値は28,405円でした。先週末の19日(金)からは4日続落、その下げ幅も1,800円を超えています。25日(木)は反発してスタートしましたが、テクニカル分析的には75日移動平均線の水準が意識されていて、ここで踏みとどまれるかが目先の焦点になります。
こうした足元の株安の背景にあるのは、「米金利上昇」と「コロナ感染拡大」に対する懸念などが重なったことですが、これまでの株式市場を振り返ると、コロナ禍でも業績を伸ばしてきたIT・ハイテク関連をはじめとする成長(グロース)株が金融緩和による低金利を追い風に相場を牽引してきました。
その後は、コロナの状況が改善したり、金利が上昇する場面では景気敏感株をはじめとするバリュー株が買われるといった具合に、グロースとバリューがうまく循環しながら買われて推移してきました。
つまり、どの局面でも「買える」銘柄が存在していたのですが、それが、足元では両者ともに買いづらくなってきたことに加え、米中関係の悪化懸念や日銀のETF買いの見直し(今後の買い入れはすべてTOPIX型にする)のインパクトなども売りを誘う格好となりました。
とりわけ、米長期金利の上昇に対する警戒は今後も根強く残りそうです。先日、米国で1.9兆ドル規模の追加経済政策が可決・成立しましたが、その効果が効きすぎてしまうことによる過熱警戒をはじめ、財源確保のために米国債増発が想定される中、米FRBは3月末で補完的レバレッジ規制(SLR)を終了すると発表したことで、需給面での不安も燻ってきています。
もっとも、現時点では中長期の見通し悪化や、コロナ後の正常化に向けたシナリオが崩れたわけではないため、足元は買い上がる材料が不足したことによる売りが増えている状況と言えます。米金利の上昇ペースやコロナの動向が落ち着き、企業業績や経済指標などの正常化期待に繋がる材料が出てくれば、株式市場も持ち直していくと思われます。
また、来週は国内3月期決算企業の権利確定日と権利落ち日を迎えるタイミングでもあり、企業業績に注目した銘柄選好の動きも出てくると思われます。ただ、少なくともこれまでの「いいところ取り」で株価が上値をトライする状況ではなくなってきているため、今後は不安材料が横たわる中で「どこまで買い戻すことができるか?」が試される状況になってきたと考えられます。
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