日本株上昇に待ったを掛ける中国要因の足枷

2021/01/22

今週の日経平均はこれまでのところ28,000円台を維持する展開となっています。20日(水)の取引終了時点で28,523円と先週末終値とほぼ変わらない水準であるものの、前日比の推移を辿ると、276円安(18日)、391円高(19日)、110円安(20日)となっており、値動き自体は荒っぽくなっています。
それでも、株式市場は崩れた印象はなく、むしろ日経平均のさらなる上昇や3万円台乗せを予想する見方も多いため、強気ムードは継続していると思われます。実際に、今週の米国株市場が祝日絡みの3連休明けで4営業日であるほか、米バイデン大統領の就任式の通過待ち、そして企業決算動向の見極めムードなどによって動きづらい相場地合いだったため、イベント通過でさらなる株価上昇の可能性があります。
とはいえ、一部では気になる見方も出てきています。直近の日経平均が高値をつけたのは、あと少しで29,000円台に迫った1月14日の高値(28,979円)ですが、実は、この高値をつけた直後に急速に上値が縮小していきました。
今のところ、「節目の株価水準を前に売りが増えた」、「台湾の半導体企業TSMCの決算を受けた動き」などの解釈が妥当とされていますが、その他にも、「久々に死者が出るなど、中国のコロナ感染がここに来て拡大しつつあることが引き金になった」という見方があります。
もっとも、現時点での中国の感染状況は、日本と比べてもかなり抑制できていますし、一部地域のロックダウン(都市封鎖)をすばやく実施するなどの対応力も見せていること、そして、今週発表された2020年の中国GDPは主要国の中で唯一プラスを維持していることもあり、大きな相場の懸念材料にはなっていません。
ただし、中国の感染状況がこのまま悪化してしまった場合には注意が必要かもしれません。日本でもこれから企業決算が本格化していきますが、中国需要の回復を前提にした業績改善を見込んで株価が上昇してきた面があるだけに、その前提が崩れてしまった時には大きな調整も想定されそうです。

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