「先食い株高」に代償はつきものか?
今週の国内株市場は参議院選挙という政治イベントを通過して迎えたわけですが、日経平均はこれまでのところ株価水準の戻りをうかがう展開となっています。先週末に見せた株価の乱高下はひとまず落ち着きを見せている格好です。
そもそも、先週18日(木)の大幅下落の要因として、前日の米国株市場が利下げ期待の後退観測で下落していたことや、政治イベント(参議院選挙)や企業決算の見極めによる様子見、為替の円高、米中摩擦の長期化懸念などが挙げられています。
ただし、これらは新たに登場した材料ではありませんし、想定外の特別な動きがあった訳でもありません。また、これまでの株価の反応としては、「一段安でスタートした後にもみ合いの小動きが続く」というパターンが多く、取引時間中も下げ幅を拡大するという展開はあまり見られなかった光景です。そして、翌19日(金)の取引も、自律反発期待以外にコレといった材料がない中で上値を伸ばし、当日の高値圏を維持して終えています。
この2日間にわたる荒い値動きに対して「何だか良く分からない」という印象ですが、「突如として株価が大きく動く展開が発生したこと」そのものを捉える方が重要で、近いうちに相場に方向感が出てくるかもしれないことを意識しておく必要が出てきたのかもしれません。そんな中で来週は注目の米FOMCが予定されています。
米国株市場は主要株価指数が最高値圏での推移が続いていますが、これまでの株価上昇は世界景気の減速が警戒される中、米中摩擦改善や米FRBによる利下げの期待と後退を繰り返すことで描かれてきました。同じ材料によって押し上げられた株価はいわば金相場による「先食い株高」と見ることができ、株価が大きく動くとすれば下方向の可能性が高いと考えるため、注意が必要です。さらに上昇して行くにはそろそろ新たな材料が欲しいところです。
もちろん、今後の利下げ期待が継続することで上値を目指す展開もあり得ますが、予防的な利下げは「かなり疲れているのにドリンク剤を飲んで無理して元気を絞り出している」状況とも言え、いざ体調を崩してしまった際には、もうドリンク剤では効かない身体になっています。金融相場が一服し、株価が調整に入ったときの下落幅が大きなものになる可能性が高くなりそうなことは想定しておく必要があるかもしれません。
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