逆らえない世界的金融緩和相場
桜前線も北海道まで上昇し、いよいよ新緑の季節が到来である。ゴールデンウィークにいろいろと予定を立てていらっしゃる方々も多いと思う。
さて、3月のモデルポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。
3月のマーケットは米国市場が下落に対して、日本市場は上昇した。
米国市場は反落。2月の雇用統計が予想の+25万人を大きく上回る+29.5万人となったことから早期利上げ観測が浮上。長期金利が2.2%台まで上昇してドル高が加速し、対ユーロで12年ぶり、対円で7年8ヶ月ぶりの高値に。企業業績への悪影響懸念が噴出。原油価格は45ドル~51ドル台の間を荒い値動きに。サウジアラビアによるイエメンへの軍事介入もリスクオフに拍車。3月のNYダウは17776ドルと前月より356ドル下落し月間騰落率は-2.0%。ナスダックは4900となり62ポイント下落の-1.3%となった。
日本市場は続伸し15年ぶりの高値を回復。相次ぐ賃上げ報道により個人消費回復への期待が高まり内需系企業が買われた。月の中旬までは欧米市場や為替相場でのマイナスの影響をさほど受けない独立した動きを見せものの、下旬において海外投資家による仕掛け的な先物売りで荒い値動きに。為替は118円台~121円台のレンジでの動き。売買代金は2.5兆円前後で推移。3月の日経平均は19206円で取引を終え、2月末の18797円から470円上昇し月間騰落率は+2.5%。またTopixは+1.3%上昇した。一方、小型株市場はジャスダック平均が+1.0%、マザーズ指数は-0.1%となった。年初から大型株優位の展開が継続。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における3月のパフォーマンスは-0.2%となり、年初来は+2.9%、累計では+155.7%(2月末+156.2%)となった。保有株式のウェートは2月末の85%から86%へ上昇。ヘッジ戦略をおこなっていないためネットロング比率は86%である。ポートフォリオにおいて新高値を付けた銘柄が先月の10銘柄から11銘柄へと増加した。先月に続いて内需系の銘柄の活躍が目立った。
日経平均は3/23に15年ぶりの高値となる19754円を付けた後、海外勢による投機的な仕掛け売りが背景に4/1には一時19000円割れまで下落。今年の1月において外国人投資家の投機的売りがあったが、それと似た動きが起こった。
しかしながら、16/3期の業績期待、海外投資家の買いを背景に盛り返し、日経平均は4/22に終値ベースで2000年4月14日以来の2万円台回復、また出遅れていたTopixも2007年11月1日以来の1600ポイントを回復している。ギリシャ問題への懸念が高まりつつあるもの、ヨーロッパ市場の動揺は限定的であり、世界的な金融緩和を背景に日本株市場は上昇意志を強く示しているように思われる。
「もう高すぎる」「これだけ上がったのだから」という慎重な投資家の心情を無視するかのように動いているのが最近のマーケットである。やはり我々が思っている以上に、金融緩和の効果は大きいということである。うかつには逆らえない。
食品株や薬品株、あるいは内需系の一角に割高すぎる銘柄もあるが、割安な銘柄はそれ以上にたくさんある。それらが水準訂正していくマーケット展開が予想される。モデルポートフォリオにおいては、今年中に+200%突破を目指して運用資産の積み上げに邁進したい。
なお、4/10に中央公論新社より新刊本を発売する運びとなった。
日本の株式市場は活況を呈しているが、必ずや「いつも買い遅れる人」、そして下げ局面になると、必ずや「いつも売り遅れる人」が出てくる。そのような事態に陥らないためには、実は、あらかじめいろいろと準備していないといけません。本書はそういう人にならないための処方箋である。
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