慎重なスタンスを継続中

紅葉シーズンも終わり、いよいよ冬支度の時期になってきた。今年も京都方面へ紅葉を見に出かけたが、紅葉の前に暖かい日が多くなったことから例年に比べると色づきが悪く、早く終わってしまった気がする。日本のコロナ感染者数は連日過去最高を記録しており、これから本格的な冬に入るためますます自己管理に注意していただきたい。さて遅くなったが、10月のポートフォリオ状況ならびに11月の近況について記したい。

10月のマーケットは日米市場ともに下落する展開となった。

米国市場は大幅続落。9月の雇用統計は+66.1万人と予想の+80万人を下回り、8月の+148.9万人から鈍化。コロナワクチンの臨床試験を巡りJ&Jやイーライ・リリーが休止を発表。欧米でコロナ感染者数が急増しフランスやドイツで外出禁止や店舗の営業制限が出されたため投資家心理が悪化。VIX指数は40台まで上昇しリスク回避ムードが高まる。追加経済対策の早期成立も絶望的に。一方、7-9月のGDPは年率+33.1%と予想を上回る回復ぶり。10月のNYダウは26501ドルと前月より1280ドル下落し月間騰落率は-4.6%。ナスダックは10911となり255ポイント下落の-2.3%となった。

東京市場は3か月ぶりに反落。月初こそトランプ大統領の退院や米国株高で買い優勢となるものの、欧州のコロナ感染再拡大で経済回復が遅れるとの見方で利益確定売りが広がる。日経平均は23000円を下回って2か月ぶりの安値。VI指数は4か月ぶりに30台を超える。一方、今週より本格化した決算ではソニーなど上方修正するものも目立ち個別物色の様相に。マザーズ市場は一時、14年2か月ぶりの高値に。為替は先月末の105.70円から今月末は104.25円と円高に。売買代金は2.0兆円程度と商いは低水準。10月の日経平均は22977円で取引を終え、9月末の23185円から207円下落し月間騰落率は-0.9%、Topixは-2.8%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が-1.9%、マザーズ指数は-4.5%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における10月のパフォーマンスは-1.3%となり、年初来-1.5%、累計では+157.9%(9月末+161.4%)とやや後退。10月末時点のポートフォリオの株式比率は76%で30銘柄を保有(9月末は76%で30銘柄を保有)。株式部分の含み益は+30.6%(9月末は+31.4%)。ただし、76%のうち現物株のウェートは41%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計81%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは56%のロングポジションである。

9月は欧州で新型コロナの再拡大が始まり各国が規制強化に動いたため、過度に買われていた主力ハイテク株が売られる形となった。10月に入ってからは一段とマーケットに逆風が吹く形に。大統領選の行方や一進一退を繰り返す追加経済対策の協議など不透明要因に加えて、欧州でのコロナ感染の再拡大が顕著となり、フランスでは12/1まで再びロックダウンの措置を取ると発表。10/28の欧州株が急落しNYダウは943ドル安となった。日本市場は大きな影響を受けなかったが、マーケットは上値を追える状況ではなくなった。

しかしながら、11月に入ると一転してリスクオンムードとなった。NYダウは初の3万ドル乗せ、S&Pおよびナスダック指数は過去最高値更新、また日経平均も26000円台を回復して29年半ぶりの高値を記録。世界的なコロナ感染の再拡大が続いているものの、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ等のコロナワクチンの開発および近いうちに供給される見通しから景気は回復する、との見方が相場上昇の原動力になっている。アベノミクス相場における日経平均のPERは15倍程度であるが、現在25倍まで買われる展開となっている。相場全体に関しては「さすがに先行しすぎで過熱感が強い」「この水準からは強気継続は難しい」というスタンスであるが、個別銘柄ではこれまで安値に放置されてきた小型の景気敏感株が急速に動き始めたことは非常に良い兆しである。相場全体には慎重になりつつも、個別銘柄においては引き続き、割安かつ魅力的な企業を物色していきたい。

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