損切りと上手に付き合う
こんにちは、石田です。
今日は「損切り」というものについて考えてみたいと思いますが、
投資家の方とビジネスマン、両方に役立つアプローチにしてみたいと思います。
「損切り」というフレーズは投資では当たり前のように使われますが、ビジネスやプライベートなどでは「損して得取れ」みたいな感じで別の表現に置き換えられることもあります。
つまり、損切りという行為は投資以外の分野でも「最終的な結果を良いものにするためにとても重要な決断(行動)」となります。
実は・・・。
なかなか損切りできない体質の方は「目先の結果を重視するあまり、トータルで良い成果を手に入れることが難しくなる」のです。
もちろん、戦略的に「損切りしないほうが最終的な結果が良くなる」こともあります。
これについては、通常損切りすべき場面で「あえて損切りしないことが事前に想定済みかどうか」が重要で、想定されたうえでの判断であれば「結果は損切りしたときと同じになる」ので問題ありません。
そうではなく、損切が必要なその場面に直面して「初めて損切りすべきかどうかを考え、悩み、決断を遅らせることに問題がある」ということです。
ビジネスの場面で重要なプロジェクトがスタートしたとしましょう。
しかし、このプロジェクトは様々な障害により、このまま継続したとしても良い結果にならないことがわかりました。
すでにある程度の資源(お金/人材/時間)を投資しています。
このような場面で損切りができない体質の人は「何とか改善を行って、せめて収支トントンくらいまで帳尻を合わせたうえでこのプロジェクトを終了させよう」と考えます。
しかし、大抵の場合、、、「より損が膨らむか、かなりの『時間』を費やしたうえでトントンになる」のです。
なぜ良い方向に進むことが少ないのでしょうか。
要因は「スタート時点から時流(トレンド)と逆の行動を起こしているから」です。
ビジネスがうまくいくかどうかはその時の「時流」がとても重要です。
一昔前は「必要なものがそもそも足りなかった」ので、「モノやサービスを出せば何でも売れる時代」でした。
ある程度モノやサービスがそろってくると、「時流(トレンド)というレバレッジ」を利かせないと最終的な利益が残りません。
つまり、上記のビジネス(プロジェクト)はスタート時点で時流に乗れていない(逆)ので、「時流と逆行している間は損が出続けてしまう」為に、「少しくらい改善をしても、そもそもの方向性自体を変えなければ良い結果が生まれない」のです。
まれに損切りしないままに改善を繰り返すことで、うまくいくことがあるのはそのプロジェクトが「ちょうど時流(トレンド)の転換点であった場合」です。
投資でいうと「逆張りスタンス」のようなもので、「改善を繰り返しているうちにたまたま新たに生まれる時流と重なる」ことができれば、うまくいくこともありますが、文字通りたまたまなので、うまくいく事例が少ないということです。
投資であれば新たなエントリー、ビジネスであれば新たなプロジェクトが「百発百中でうまくいく」なんてことはあり得ないわけで、どんなに優れた人でも「時流(トレンド)を見誤って目先失敗する」ことはあります。
その時に、
「もうこれだけお金使ってるから・・・」
「これだけ多くの人がかかわって頑張っているし・・・」
「もう〇年やってるんだから・・・」
ということにとらわれすぎて損切りができないとどうなるか?
時間枠を大きくして考えると自動的に答えが見えてきます。
投資人生、ビジネス人生がわかりやすく10年だと仮定します。
この間に5つのプロジェクトまでエントリーできるとしましょう。
ひとつうまくいった場合には100ポイントの利益が得られるとします。
しかし、世の中そう甘くはありません。
5つのうちの3つは時流に逆行するエントリーです。
損切りできる体質の人は
10年間の間に
2つのエントリーで200ポイント稼ぎ、
3つのエントリーで90ポイントの損切りしましたので
最終的に110ポイントの利益を残す、という結果でした。
損切りできない体質の人は
1つのエントリーで100ポイント稼いだものの
1つのエントリーで今現在100ポイントの損を出しながら
未だそのエントリーにこだわり続け、
10年たった今も
「1ポイントの利益も出せずに2つのエントリーしかできていない」
という結果になりました。
こうやってみていくと「利益」だけではなく「どう頑張ってもお金では買えない『時間』まで無駄にしている」事がわかります。
実際「損切り」は目先辛いものですし、後ろ向きな印象を与える決断(行動)に感じるかもしれませんが「最終的に最も良い結果を手に入れることができる前向きな決断」なのです。
投資やビジネスの分野問わず、損切りと上手に付き合いながら満足のいく結果を手に入れることのできる人生を送ってください。
それではまた!
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