FM 今月のポイント(2015年7月)
*6月相場はギリシャのチプラス首相に振り回されました⇒18 日にはユーロ圏財務相会合を控えてギリシャ問題が改めて意識され、日経平均株価が2万円割れを示現しました(4日続落)。その後、デフォルト回避(財務相会合、首脳会議で妥協)の報道があり24 日には2000 年4月のITバブル時の高値を更新しました(20952.71 円)。さらには月末にかけて実質デフォルトがほぼ決定的になり29 日には20090 円台まで再度下落となりました。
*チプラス首相はドイツのメルケル首相の意向を無視(7月5日にEUによる緊縮案の是非を問う国民投票を実施する)、トロイカとの決裂を決定的にしました(欧州の政治の世界で生き残るためには守らなければならない鉄則がある⇒それはドイツのメルケル首相に逆らってはならないということだ:Bloomberg)。メルケル首相は国民投票が終わるまではギリシャと交渉しないと言明しています(1日の議会での演説で、ギリシャが何について投票を実施しようと政府が国民に何を働き掛けようと、それは同国の「正当な権利」だと言明。ただし、ギリシャの決定に対して「ユーロ圏の他の18 カ国にもそれぞれの立場を取るという同様に民主的な権利がある」とくぎを刺した)。5日の投票でギリシャ国民が緊縮に「イエス」を選べばチプラス首相は退陣に追い込まれるものと思われます⇒その場合EU側とギリシャ野党が連絡を取り合っていることを踏まえると総選挙を経ず緊縮賛成派(親EU)が結集することが想定されます⇒現時点でのベストシナリオ(ギリシャ債務問題は先延ばしとなり本質的な解決では無いがEU離脱問題が材料とはならない)となり、世界の株式市場に安心感が広がると思います。逆に、「ノー」を選択した場合はメルケル首相の強行姿勢を考えるとギリシャのユーロ離脱がマーケットの材料として現実味を帯びる可能性があります(メルケル首相はチプラス首相を退陣に追い込むためにEU離脱容認のふりをする⇒ギリシャはEU離脱の再度の国民投票を実施する可能性がある)。この場合はイベントリスクが一段と大きくなり、HF等の短期投資家が大活躍する場面です(ボラティリティが上昇)。
*ただし、ギリシャをめぐる諸問題はイベントリスクに過ぎません(EU離脱についてもイベントリスク化)。ほぼマーケットに織り込まれ、実体経済に影響はありません。仮にイベントリスクで日経平均株価が2万円を割った場合はポジションテイクの好機と考えます。
*ギリシャよりも気になる中国株の下落についても、現時点でのバブル崩壊説には組しません。中国政府には金利引き下げ等の政策対応力が十分にあるからです。短期的に株価が2.5 倍になったわけですから高値から30%程度調整しても不思議ではありません。政策対応をバネに、これから本当のバブル生成に向かうものと考えています(89 年の日本のバブル崩壊時は日銀が金融引き締めに入っていた:社会的にもバブル崩壊を促す空気が充満していた:現在の中国は真逆)。
*ノイズに惑わされること無くファンダメンタルズ(マクロ、ミクロ)を吟味してパフォーマンス向上を目指します。
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