若い人々に資産形成を~ウェルスナビの活用

2018/10/30

・若い人の資産形成は、どうしたらよいのであろうか。自分の子供をイメージしてみる。親の仕事を知っていても、金融に関する知識には興味がない。毎月の給料のうち、いくらかは貯めているようだが、銀行口座に置いているに過ぎない。

・本人に興味がないのに、親がああしろ、こうしろと指示して、手続きまで進めようとしても納得できるはずがない。お金を貯めること、増やすことには関心はあるが、面倒な手続きや事前の勉強に対してインセンティブは働かない。

・私の持論は、まず株式投資をやってみることにある。個別株に投資して、株とは何なのか、株価はどうして動くのかを実践してみないと、投資信託を買っても、上がった/下がった、得した/損したというところにばかり目が行ってしまう。

・つまり、株式は、企業が社会に対して提供する価値を反映する。価値の対価として利益が上がり、利益の多寡によって株価が変動することを分かってほしい。

・しかし、実際のところ個別株投資へのハードルは高いのかもしれない。どの銘柄を選ぶか分からない。最初の投資にかなりの金額が必要である。それが値下がりして、元手が減ってしなうとなったら、参加したくないと思ってしまう。

・一方で、多くの若者は株式会社で働いている。自分で事業をやりたいと思っている人も多い。会社組織がどのように動いているのかは分かっているので、最初のハードルは誰でも越えられる。

・スマホ世代なので、仲間情報が大事である。身近な情報のやりとりの中から、投資への関心は広がりつつある。

・9月に「ウェルスナビ(WealthNavi)」の柴山和久氏(代表取締役)に話を聴いた。4年前にロボットアドバイザーによる資産運用会社を立ち上げた。現在顧客は9万人、運用額は1000億円を超えている。

・これならわが子も手軽に始められるか。毎月の貯金から一部をウェルスナビに投資しておけば、運用がスタートする。しかも長期で貯めていくので安心できる。

・銀行口座とマイナンバーが手元にあれば、スマホで口座が作れる。6つの質問に応えるだけで、運用プランが選べる。毎月積み立てていけば、長期安定運用ができる。

・運用の中身は、ロボット(最適なアルゴリズム)が判定してくれるので、運用者の巧拙から距離を置くことができる。

・柴山氏は、ウェルスナビを2015年に創業した。社員は現在60名だが、半分はエンジニアで、スマホ上で動く運用システムを自社で構築している。

・資本金は32億円と大きい。大手金融機関も出資しており、本格的なフィンテック企業として、事業は急ピッチで立ち上っている。

・最近のデータでは、参加者の3割がこれまで投資経験がない人である。9万人の世代構成をみると、20代14%、30代34%、40代30%、50代15%、60代7%である。女性も増えている。

・若者に資産運用について質問すると、①分からない、②身近でない、③信じられない、④面倒である、という答えが多い。そこで、運用で孤立している人々に対して、スマホを通して利便性の高い仕組みを提供しようとした。

・若者にとって、転職は当たり前になりつつある。1つの企業を務め上げて退職金をもらうという仕組みは崩れつつある。しかも、大企業の退職金は年々減りつつある。

・結婚しても共働きは当たり前である。子供を育てるとなると相当に費用がかかる。かといって、子供が欲しい人は多い。住宅を購入しようとするとローンを組むことになる。この負担も重い。

・そして老後をイメージすると、国の年金だけでは全く足らないので、自分で貯めておく必要がある。でも、お金はいろいろ必要なので、十分貯めることができない。

・よって、そんな長期のことは全て見通せないから、とりあえず今がそれなりに楽しければよい、となってしまう。

・この姿勢を何とか変えたい。将来分からないが、何はともあれコツコツ投資して貯めていくようにしたい。投資をすると、長期的には銀行に預けておくよりはリターンは上がるので、貯めている金額も増えていくことになる。

・資産運用の基本は、①長期、②積立、③分散であるから、これを着実に実行すればよい。ウェルスナビは、1)世界のETF(上場投資信託)の中で、平均5兆円の大型かつ安定したものを選び、2)株式、証券、その他(金、リート)などの最適な組み合わせ(資産配分)を、有力な投資理論に基づくアルゴリズムで自動的に選択し、リバランスを継続していく。

・株式でみれば、ETFを通して50カ国の1.1万銘柄に幅広く投資する。世界経済全体に投資して、リターンを上げていく。

・ロボットという意味は、資産運用の仕組みを一定のアルゴリズムを用いて自動化し、AIを活用して機械学習によって運用の仕組みを改善していく。

・金融危機が来た時でも、運用を継続していれば、長期でみたトータルのリターンは、十分確保できる。よって、人の心に振り回されない冷静さが、よいパフォーマンスに繋がる。これがロボットアドバイザーの売り(強み)である。

・ウェルナビは、パッシブ型AIを活用する運用手法をプラットフォーム化したものである。スマホで簡単にでき、しかも若者に分かり易い。筆者も早速口座を開設してみた。私の子供たちにも勧めたいと思う。

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