ユーロ圏の10月景況感について
- ユーロ圏の10月景況感は全般的に弱い動きでした。夏場に底打ちの兆しも、再度落ち込みました。
- 製造業、小売業が比較的弱く、輸出産業の景況感軟化が一部内需産業へ波及したと見られます。
- 当初の強気な景気の見方は後退も、内需主導の緩やかな景気拡大傾向が10-12月期も期待されます。
貿易摩擦の影響が拡散
ユーロ圏の、10月の景況感各指標は、夏場に底打ちの兆しを示すも続かず、再度落ち込んだ形です。24日にIHSMarkitが発表したユーロ圏のPMI(総合)は、前月比-1.4ポイントの52.7でした。製造業の同-1.1ポイントに対してサービス業は同-1.4ポイントと、サービス業の落ち込みが大きく、製造業の景況感軟化がサービス業へ波及した様子が見られます。また、25日にCESifoが発表したドイツ企業景況感指数(ifo指数)は前月比-0.9ポイントの102.8(15年=100)でした。業種別景況感は、小売業の低下が最も大きく、次いで製造業となっており、PMIとほぼ同様の動きでした。
この他、ZEW指数(期待)は前月比-12.2ポイントの-19.4、センティックス指数は同-0.6ポイントの11.4と、双方低下しました。ZEWは今年最低で、市場に近い層の不安心理が強いことがうかがわれます。株価乱高下などの動きが、こうした反応につながっていると見られます。貿易摩擦激化が発端となった景況感悪化とみられますがが、今や、広がりを見せている感があります。
米・ユーロ圏の金融政策の相対的位置づけに注目
ユーロ相場は、足元の景況感がECB(欧州中央銀行)の金融政策スタンスを慎重化させているとして軟調です。対ドルでは約2ヵ月ぶりに1ユーロ1.13ドル台を付けています。
ユーロ相場は、引き続き、米国とユーロ圏との金融政策の相対的位置関係に注目すべき展開と見ています。ユーロ圏の景気は当初の強気な見方は後退したものの、年末に掛けて内需主導の緩やかな拡大を続けるとの見方は変わらず、ユーロ圏は金融政策正常化の流れ、米国は利上げ打ち止め議論台頭という、相対的位置づけの変化がユーロ高に働くと見ています。
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