インド経済の現状と市場の展望~18年1-3月期GDP
- 実質GDP成長率は前年同期比+7.7%でした。個人消費、固定資本投資主導で大きく加速しました。
- モディ政権の投資重視の政策スタンスの下、改革効果もあいまって好調な景気が続くと見込まれます。
- 高成長見通しに株価は底堅く、通貨ルピーも米利上げで厳しい環境ながら相対的に底堅いと考えます。
固定資本投資が堅調
5月31日、インド統計計画実行省が発表した18年1-3月期の実質GDP成長率は、前年同期比+7.7%でした。17年10-12月期は、当初の+7.2%から+7.0%に下方修正されたものの、2期連続の+7%台となり、インド経済は好調さを取り戻しています。
主要な需要項目を見ると、個人消費が前年同期比+6.7%と底堅く、固定資本投資は同+14.4%と好調でした。企業の設備投資に加え、モディ政権のインフラ、住宅への投資を重視した政策がけん引したと見られます。一方、外需(純輸出、輸出-輸入)は、内需が好調なことから輸入が堅調でマイナス寄与が拡大しました。内需の好調さについては、全国統一の間接税体系GST(財・サービス税)の導入、高額紙幣廃止による個人取引のキャッシュレス化が、経済の効率性を高める効果も徐々に出てきていると見られ、高成長が続くと予想されます。
市場を取り巻くリスクは小さい
ルピー相場は、米ドル金利上昇による新興国通貨の投資妙味減退の流れで、1月後半以降下落しました。しかし、+7%成長への回復が分かった3月に下げ止まり、引き続き厳しい環境下で比較的底堅い展開です。また、株価もほぼ同時期に下落しましたが、企業業績見通しは高い利益成長を見込む向きが依然多く、3月下旬以降反発しています。
今後のリスクとしては、世界経済がさらに減速すること、ルピー安をきっかけにインフレ圧力が増大し、利上げを余儀なくされること、などが挙げられます。しかし、1-3月期に景気が減速した先進国は、4-6月期には持ち直す公算が大きく、ルピー相場も足元では下げ止まり、現時点の水準なら、インフレ率を押し上げる効果は小さく、いずれのリスクも小さいと考えられます。
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