5月の豪金融政策~足元の投資環境と豪ドル相場の展望
- 政策金利は1.5%で据え置きでした。低インフレが続いていることを受け、低金利維持が続きます。
- 景気は緩やかな拡大ながら、個人消費には先行き不安が残り、インフレ加速の公算は小さい情勢です。
- 先進国の金融政策正常化で金利の相対的低さが目立ち始めており、豪ドルの上昇を抑えると考えます。
内需伸び今一つでインフレ加速せず
1日、RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)は定例理事会を開き、政策金利であるキャッシュレートを1.5%で据え置きました。16年8月の利下げ以来の据え置きが続いています。
国内景気は、RBAが想定している+3%成長に向け、おおむね好調です。企業や消費者のマインドも良好です。ただし、雇用者数の増勢がここにきて鈍化しているほか、賃金コストの伸びも低位にとどまっており、個人消費の先行きがRBAにとって懸念材料となっています。商品市況は、豪経済に関連の深い鉄鉱石等の工業用金属は足元動きが鈍くなっています。また、インフレ率は目標下限(+2%)を目の前に足踏みしています。1-3月期のCPIは前年同期比+1.9%と、前期と同水準でした。目先の動きを測るMI_CPIも、足元は+2%近辺で安定しており、当面インフレ加速の公算は小さい情勢です。
米ドルへ投資資金がシフトしやすい環境
豪ドルは軟調な展開です。対米ドルでは17年6月以来11ヵ月ぶりに1豪ドル0.75米ドルを割り込みました。対円では、円安・米ドル高の進行で底堅いものの、1豪ドル82円台前半で頭の重い展開です。
豪ドルにとっては、引き続き難しい投資環境です。先進国が金融政策正常化への道を歩む中、RBAが現行の政策金利水準を維持する姿勢を堅持しており、豪金利の相対的な低さが目立ち始めています。豪短期金利(3ヵ月銀行手形金利)の2.0%台に対し、米ドル3ヵ月LIBOR(ロンドン銀行間出し手金利)は2.3%台と、1月末に両者の水準が逆転して以降、徐々に差が開いています。10年国債利回りも2月初めに逆転し、投資資金が米ドルにシフトしやすく、豪ドルの上昇を抑えると考えます。
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