インドネシアの金融政策~米資本市場変調の影響は?
- 政策金利は4.25%で据え置かれました。現状の国内経済に対して適正と評価、様子見が続きそうです。
- 米資本市場の変調で通貨ルピア、株価共に下落しましたが、経済の好調さを背景に限定的です。
- 「インフレなき安定成長」の見方は維持されており、落ち着いてくれば市場は回復に転じると思われます。
インフレ率は新しい目標内で推移
14-15日、インドネシア銀行(BI、以下、中銀)の定例理事会が開かれ、政策金利であるBIレート(7日物レポ金利)は、5カ月連続で4.25%に据え置かれました。
インドネシア経済は、引き続き「インフレなき安定成長」が続いており、1月CPIは、総合が前年同月比+3.25%、コアが同+2.69%と、双方鈍化しました。燃料価格が17年1月に引き上げられた効果が剥落したのに加え、その他の商品、サービスにも鈍化が見られました。中銀は18年のインフレ目標を0.5%引き下げましたが、レンジの中心を下回る安定ぶりで、現状の国内経済の状況に対して現行の政策スタンスは適正と評価しています。また、18年の実質GDP成長率見通しを+5.1~5.5%に維持し、当面は様子見を続けそうです。
比較的落ち着いていたインドネシア資本市場
米国で金融引き締め強化の思惑が台頭し、長期金利上昇が加速、株価が急落し、インドネシアも例外なく混乱に巻き込まれました。
ただし、影響は限定的です。1月高値から2月1~15日の安値を比較すると、ルピアは対円で6.9%下落(1月4日~2月15日)したものの、ほとんどはドル安・円高によるもので、対ドルでは同期間で0.8%下落にとどまりました。また、JCI(ジャカルタ総合指数)は3.0%下落(1月29日~2月6日)でした。世界ベースでは6%程度下落していました。中銀は、為替の動きが荒くなった局面ではルピア買い外貨売りの為替介入を実施した模様ですが、外貨準備が潤沢で国際的な信用は良好です。世界的にも慎重な金融政策運営と堅調な景気動向は変わらないと見られ、市場が落ち着いて来れば、「インフレなき安定成長」を評価する投資資金流入によって通貨、株価は回復すると期待されます。
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