ECB理事会について~今後のユーロ相場への影響は?

2017/10/27
  1. 年明け後の国債等純購入額は半減の月300億ユーロ(189月まで)、政策金利は据え置きでした。
  2. 依然としてインフレ率が目標を下回っており、ECBは今後も慎重に政策運営をしていくと見込まれます。
  3. ハト派的な姿勢を受け、ユーロは下落したものの、景気には追い風であり、下値は堅いと思われます

延長の可能性も示唆

26日、ECB(欧州中央銀行)は定例理事会を開き、資産購入プログラム(APP)について、従来の月600億ユーロの純購入額を300億ユーロに半減し、18年9月まで実施するとしました。また、政策金利は据え置きました。

ECBは声明文で、経済情勢次第ではAPPの延長さらには増額も有り得るとし、縮小が既定路線ではないことを強調しました。また、政策金利も、量的金融緩和の実施期間を超えて現行水準を維持する方針であり、ハト派的(緩和縮小に慎重)な姿勢が目立ちました。アムンディでも、少なくとも先行き1年は現行水準を維持すると予想しています。

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ハト派+景気刺激効果でユーロ下落は限定的か

ユーロ圏経済は、失業率が大きく低下しているとはいえ、リーマンショック前の水準には届いておらず、インフレ圧力が強まらないため、依然、ECBのインフレ目標(+2%弱)を下回っています。金融引き締めに転じるには、経済が引き締めを受け入れつつ緩やかな成長を維持できるかを検討する必要があり、ECBは政策転換の可能性を探りつつ、慎重に政策運営をしていくと思われます。

ユーロ相場は、ハト派的なECBの姿勢を受けて、対ドル、対円双方で足元では下落しました。ただし、金融緩和姿勢の維持は景気には追い風です。これは、ハト派的な姿勢とは逆に、ユーロの下支え要因になるため、下落はそれほど大きくならないと思われます。

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