日銀金融政策決定会合について~為替・債券市場への影響は?

2017/09/21
  1. 20-21日に開かれた金融政策決定会合では、現行の金融政策手段がすべて据え置かれました。
  2. 新任の審議委員が執行部案に反対票を投じました。より強力な緩和が必要との考えのようです。
  3. 金融政策の市場への影響は限定的と見られ、当面は外的要因に振らされやすい展開になりそうです。

新任審議委員が長短金利操作に反対票

20-21日に日銀金融政策決定会合が開かれました。長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続し、各種政策手段については、すべて現行継続が決定されました。

7月24日から鈴木氏、片岡氏の2名が審議委員に就任していますが、このうち、片岡委員が、長短金利操作に反対しました。「資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、2019年度頃に2%の物価上昇率を達成するには不十分」との見解です。どのような見識に基づくのか、具体案は何か、詳しくは議事録要旨を待つ必要がありますが、「不十分」ということは、何らかの形で緩和を強化することが必要と考えている可能性があります。いずれにしても反対票は1票であり、政策判断への影響はありません。

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米国経済動向・金融政策、北朝鮮情勢

足元のドル・円相場は、本日未明に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーによる経済見通しで、年内利上げの可能性が高まったとの見方から、2カ月ぶりに1ドル112円台となっています。

また、10年国債利回りは0.02~0.03%で推移しています。米国の年内利上げ観測が後退したこと、北朝鮮情勢の緊張などから、9月初めには約10カ月ぶりにマイナスを付けましたが、足元では、上記のように、米国の金融政策への見方が変わったことや、地政学リスクがやや落ち着いたとの見方から若干水準を切り上げたものと思われます。

当面、金融政策が変化する公算は小さく、為替相場、長期金利共に、米国経済動向・金融政策への市場の観測、北朝鮮情勢など、外的要因の影響を受けやすい環境と思われます。

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