南アフリカGDP速報と金融政策、ランド相場の展望

2016/09/07
  1. 4-6月期実質GDP成長率は前年同期比+6%と前回のマイナス成長から一転、プラスに転じました。
  2. 製造業、鉱工業がプラスに寄与する一方、干ばつの影響もあり農林水産業がマイナス寄与でした。
  3. 市場予想を上回る成長率の発表を受け、通貨ランド(以下、ランド)は2ヵ月ぶり大幅高となりました。

好転

9月6日、南アフリカ統計局が発表した16年4-6月期の実質GDP成長率は、前年同期比+0.6%と、マイナス成長に陥った 1-3月期から一転、プラス成長に転じました。前期比年率+3.3%の内訳をみると、自動車増産を背景に、製造業が前期比+8.1%と最大の寄与となりました。また、プラチナ増産で鉱業も同+11.8%と第二次産業が好調でした。一方で、大干ばつの影響で農業が不振、6期連続マイナスとなるなど第一次産業が振るいませんでした。

需要項目別でみると、貴金属をはじめとした輸出が急増する一方で輸入は減少となり、純輸出がプラス成長に大きく貢献しました。穏やかな世界経済の回復でプラチナはじめ商品市況が回復してきたことに加え、長引くランド安で国際競争力が高まり、輸出の追い風になったと考えられます。また、企業活動が活発化したことが恩恵となり、個人消費がプラス寄与に転じました。

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ランドは2ヵ月ぶり高値

 

好調なGDP発表を受け南アフリカランドは反発し、一時2ヵ月ぶりの高値を付けました。4四半期ぶりに黒字転換した貿易収支や、米国の追加利上げ観測時期後退もランドにとって追い風となりました。

一方で、スパイ組織立ち上げ疑惑でゴーダン財務相が検察から出頭命令を受けるなどの政治的リスクの高まりを受け、ランドは乱高下する局面もあり、予断を許さない状況が続いています。

また、米国利上げ時期をめぐる思惑で振らされる外的要因は否めないものの、相対的に高い金利に加え、経済回復の余波を受け、ランドは底堅く推移すると見込まれます。

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