メキシコ緊急利上げ~原油安の影響を防止
2016/02/15
<投資信託>
- メキシコ中央銀行は2月17日に緊急理事会を開き、政策金利を5%引き上げ3.75%としました。
- 止まらない原油安による国内経済悪化、通貨安とインフレ圧力拡大の悪循環の防止が目的です。
- しかし、原油価格は需給改善で持ち直しが期待され、ペソは反発余地も出てきていると思われます。
過度な原油安がもたらす負のスパイラルを防止
メキシコ中央銀行は、2月17日に緊急理事会を開き、政策金利である翌日物金利を0.5%引き上げ、3.75%にすると決定しました。
声明文によると、1バレル30ドルを割り込む急激な原油安によって、財政収支や国際収支が悪化し、通貨ペソの下落を招いているとの認識です。また、ペソの下落が現在は安定しているインフレが再燃する圧力を拡大させ、さらにペソを押し下げるリスクが増大すると警戒しています。今回の利上げは、原油安を発端とする、このような経済の悪循環を防止することが目的です。
原油価格持ち直しの気運拡大がペソにとってプラス
緊急利上げを受け、足元でペソは反発しました。対円相場は、世界的にリスク回避指向が強まったことによる円高進行もあり、一時1ペソ6円を下回っていましたが、17日のNY終値では約6.2円となっています。ペソの下落をひとまず抑えた形です。
また、ここまでのペソ下落の主因である原油安にも変化が出つつあります。米国のシェールオイル生産は、新規開発投資が急減したことから、すでに減少に転じています。また、中東、ロシアの原油生産については、サウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラで、生産枠凍結の合意がなされ、原油増産が見込まれているイランの石油相も賛意を示したため、原油価格は持ち直しの気運が出てきました。原油市場の変化はペソにはプラスであり、今後反発する局面も出てくると期待されます。
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