米国雇用統計(2019年6月)~為替、株式市場への影響は?

2019/07/08
  1. 6NFPは前月比+22.4万人でした。趨勢的に増勢鈍化も、月+1520万人を維持しています。
  2. 賃金の伸びは前年同月比+3.1%台と前月比横ばいの一方、総賃金は同+3.8%と小幅上昇しました。
  3. 景気重視の金融政策で、雇用は緩やかな増加傾向が維持され、株価は底堅く推移すると考えます

小康状態、緩やかな環境改善維持へ

5日、米労働省が発表した6月の雇用統計(速報)によると、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+22.4万人でした。単月では好調で、主に企業向けサービス、教育、ヘルスケア、政府部門が改善しました。雇用の趨勢は、2018年半ば辺りの月当たり+20~25万人をピークに鈍化し、現在は同+15~20万人です。これは内需の伸びのピークとほぼ重なっており、これまでの景気減速の影響と見られます。景気後退には陥っていないので、緩やかな増勢を維持している形です。

また、民間企業時間当たり平均賃金は前年同月比+3.1%でした。前月比横ばいで、堅調ながら年初来では最低の伸びです。一方、就業者数と労働時間を加味した総賃金は同+3.8%、前月比+0.1と若干上昇しました。就業者数増加が押し上げ要因となり、減速傾向が一服しました。景気重視の金融政策スタンスの下、景気失速リスクは後退していると考えられます。したがって、今後、雇用は緩やかな増加傾向を維持すると見込まれます。

201907081

緩和スタンスの金融政策が株価押し上げ、ドル下支え

ドル・円相場は、円高傾向ながら足元はドル安が止まっています。一方、米株価はNYダウ、S&P500、NASDAQ(ナスダック)総合といった主要指数が軒並み史上最高値を更新しました。金融政策スタンスが緩和方向にあり、金利低下期待がドル安につながると共に、株価は相対的に割安感が強まった形です。

市場は年内2~3回の利下げを織り込んでいると言われ、期待が行き過ぎているとの見方も出ています。目先はスピード調整もあり得ますが、先行き景気期待の改善で基本的に株価は底堅く、ドルは幾分下支えされると考えます。

201907082

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
アムンディ マーケット・レポート   アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ