成長戦略への失望売りは回避されたのか?

2014/06/26

今週の国内株市場ですが、上値の重たい展開が続いています。日経平均・TOPIXともに、これまで上値の抵抗とされていた4月と3月の戻り高値を回復し、次は年初の水準を目指して行けるか、これからが上昇の勢いが試される段階と言えますが、日足チャートの1月23日~24日に空けたいわゆる「窓」埋めに差し掛かったところでひとまず上値追いがストップした格好です。

そんな中で今週注目されたのは、24日に閣議決定された成長戦略でした。大体の内容は事前に報じられていたこと、また、昨年の成長戦略発表後に日経平均が500円以上と大きく売られた記憶もあって警戒感が燻っていましたが、実際に今回の成長戦略が発表された翌25日の日経平均は前日比で109円安となったものの、これは前日の米国株安と利益確定売りによるもので、ひとまず「材料出尽くし売り」は回避されたという見方が多いようです。さらに、翌26日の日経平均は反発スタートを見せています。

先程も触れたチャート上の「窓」を埋めるには、相場のエネルギーと勢いが必要とされています。ただ、25日の東証1部の売買代金は1兆6325億円と少なく、今回決定された成長戦略は材料出尽くし売りにはならなかった一方、買い上がる材料にもならなかったとも言えます。また、本来は材料出尽くしで売ろうにも、直近の年金経由と言われている信託銀行の継続的な買いが入っていることもあって売り込めず、とりあえず見送りという姿勢が売買のボリューム低下につながったとも考えられます。いずれにしても上方向にも下方向にも積極的に動きづらく、膠着感が出始めてきた可能性があります。

確かに、今回の成長戦略のポイントの中には、法人税の実効税率の引き下げ目標が明記されたほか、コーポレートガバナンスコードやスチュワードシップコードなどの企業統治の強化、GPIFの資産構成の見直しなど、昨年よりも株式市場を意識したものが盛り込まれており、これらが今後も相場を支える要因になると思われますが、スケジュールや財源確保などの課題もあり、「本当に実行に移せるのか?」をある程度の時間をかけて見極めて行くことになります。成長戦略への評価はこれからと言えます。

決してネガティブになる必要はありませんが、足元の状況は材料出尽くしの売りが回避されただけで、これが必ずしも今回の成長戦略への評価そのものではないこと、また、政策運営の動向によっては失望売りとなる可能性があり得ることは頭の片隅に入れておいた方が良さそうです。

 

楽天証券株式会社
楽天証券経済研究所 土信田 雅之が、マクロの視点で国内外の市況を解説。着目すべきチャートの動きや経済イベントなど、さまざまな観点からマーケットを分析いたします。
本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。
銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

商号等:楽天証券株式会社/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第195号、商品先物取引業者
加入協会:
  日本証券業協会
  一般社団法人金融先物取引業協会
  日本商品先物取引協会
  一般社団法人第二種金融商品取引業協会
  一般社団法人日本投資顧問業協会

このページのトップへ