消去法的な短期勝負
今週の国内株市場も方向感に乏しい展開が続いていますが、日々の動き自体は上げ下げが荒く、何だかよく分からないというのが正直なところだと思います。市況コメント等でも、「株価指数先物取引にまとまった注文が入って大きく動いた」みたいな解説が多くなっています。
確かに、3月14日のメジャーSQ以降の日経平均の推移を見てみると、大体14,200円~14,660円で動いていますが、これはSQ値(約14,430円)を基準とした上下230円の範囲ですので、先物主導というのは結構当たっているのではと思われます。
今週27日は3月の権利落ち日で、いわゆる「配当落ち」分が100円ぐらいと言われていますから、理屈では14,300円台前半へもみ合う基準が切り下がることになります。ただ、一方で日経平均(日足)のRSIは下値を切り上げており、完全ではないものの、微妙な「逆行現象」となっているため、近いうちに戻りを試す局面が来るかもしれません。
以前にもこのコラムで触れましたが、主体性があまり感じられない直近の相場の背景には、「継続的な買いが入らない」ことが挙げられます。ウクライナ情勢や中国の動向といった海外要因をはじめ、来週の4月入りからいよいよ実施される消費増税の影響や、昨年あれだけ期待されてきたのに、具体的な進展が見られないアベノミクス成長戦略など、国内の見極め材料も多いです。
最近になって、日経平均のPERが14倍台を下回った等、日本株の割安感や海外株市場と比較した出遅れ感を指摘する声も上がっていますが、昨年あれだけ上昇しまくった日本株がさらに伸びる可能性よりも、今後も堅調な景気回復が見込める米国市場や、最悪期から脱却しつつある欧州市場の方が利益を得られるシナリオが描きやすく、日本株は「割安だから買い」というよりは「買えないからこそ割安」と考えた方がよさそうです。
とはいえ、国内企業の業績は決して悪いわけではなく、アベノミクス成長戦略についても、6月までに第二弾がまとまる予定となっており、積極的に売り込めない状況でもあります。そのため、足元ではIPO銘柄や中小型株、材料の出た銘柄など、消去法的な短期勝負の印象が強くなっていると考えられます。
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