SANEI(6230)24年3月期は値上げの浸透が想定以上に進み会社計画は上方修正
差別化戦略を採り続ける給水栓や給排水金具等の水まわり製品の専業メーカー
24年3月期は値上げの浸透が想定以上に進み会社計画は上方修正
業種:機械
アナリスト:藤野敬太
1.会社概要
・SANEI(以下、同社)は、給水栓や給排水金具、継手、配管部材等の水まわり製品の専業メーカーで、売上高の多くが住宅向けである。
2.財務面の分析
・期別の増収率の差はあるものの、16/3期以降23/3期まで7期連続増収となった。利益面では期によって増減があったものの、売上高経常利益率も21/3期の7%台まで上昇したが、資源価格上昇の影響を受けて23/3期は3%台まで低下した。
・上場している給排水栓の専業メーカーの財務指標と比較すると、効率性を表す総資産回転率と自己資本に対する総資産の大きさを示す財務レバレッジの高さで、低い利益率をカバーしている構図となっている。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、創業当時の事業方針を継承する創業家出身の経営者(人的資本)である。受け継がれてきた創業当時からの方針は製品開発に反映され、多数の製品ブランドの展開につながっている。その結果、顧客の増加、知的財産やノウハウの蓄積、顧客への提案型製品の増加という好循環を描くことになった。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、利益率の改善、製品ブランド・ポートフォリオの多様化とハイエンド化が挙げられる。
・中長期的には、非住宅市場におけるシェアの拡大、ブランド力の更なる向上、水まわりにおける住空間全体をトータルに提案していくことを目指している。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、一貫して製品の高付加価値化による差別化戦略を採ってきた点を評価している。同社は、更なる高付加価値化と、事業領域の多様化を目指しているが、その試金石として、海外ブランドとの競争下において案件が獲得できるかどうかに注目したい。

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