高市氏と安倍氏の決定的相違点
~高市氏が日本の救世主になる理由~
【ストラテジーブレティン(390号)】
Q) 日本初の女性首相誕生。米国、フランスに先駆ける歴史的快挙なのに人々の評価は低い。困難山積の船出というものがメディアと専門家の評価である。連日史上最高値を更新している株式市場の評価とは熱量がだいぶ違いますね。
武者)市場の熱狂が正しいのではないだろうか。強烈な株高は持続し3年後遅くても5年後に10万円が見えてくるだろう。
Q)力強い見通しですが、まず当面のスケジュールから教えてください。
武者)臨時国会での首班指名に続き、次のようなことが起きるだろう。1)懸案インフレ対策としての家計支援(給付金付き減税、ガソリン・軽油引取税の暫定税率の廃止)、医療機関支援などの補正予算成立。2)ASEAN首脳会議、トランプ訪日での外交デビュー等、華々しいものに。トランプ氏の高市氏支援は鮮明。知恵のある人・・・などの好意的紹介とエール。3)メディアや自民党党内、野党などの反高市派の批判も強まろう。まるで揚げ足取りのような。政策遂行が滞る場面もあり得る。
Q)日本維新の会が連立に加わったとはいえ、少数与党であることは変わらない。政権の不安定が続くとなると、解散・総選挙が早まりそうですね。
武者)少数与党というだけでなく、新政権は選挙の洗礼を経ておらず国民の信任を得たとは言えない。それは今回の政変劇が戦後政治の機軸を変えるものだからである。これまでの自公連立リベラル中道連合 (憲法改正やスパイ防止法、防衛力増強などを後回しにしてLGBT法や選択的夫婦別姓などリベラル政策を推進、財政健全化路線)と言えるものであった。それに対して自民維新の新連合は保守連合(改憲、自主防衛、積極財政)と言え、これは保守革命ともいえる基軸の大旋回である。公明の連立離脱は、高市氏率いる自民党の路線大転換を見越してなされたものであり、平和主義に徹する公明党にとって、他の選択肢はなかった。これほどの路線転換が永田町内の論理で成された以上、国民の審判を受けるべきという世論は高まる。高市氏は年内または新年早々に解散総選挙を打ち出す可能性が高い。
Q)来るべき解散総選挙はどのような結果になるでしょうか。
武者)高市自民党の圧勝の可能性が高い。高市氏には、①政策に対する国民の支持、②市場の支持、③高市氏個人の人気という3要因がある。
1) 政策に対する国民の支持➡そもそも下馬評で劣勢であった高市氏が自民総裁に選ばれたのは、議員での不人気を上回る、国民の支持があったから。①オールドメディアでの劣勢をネット・SNSで覆す、②エリート層での劣勢を一般人の支持で覆す、③既得権益グループの支持皆無の中で国民の既得権益批判を得る、④建前偽善の理念優勢に対して、リアリズムに基づく解決策で対抗する、⑤建前・解決策なしの反資本主義に対して経済合理性で対峙する、等の対抗軸で、支持を得た。選挙では自民の失地回復、与党の過半数確保はほぼ確実であろう。
2) 市場の支持➡財政健全化路線は、決定的に重要な市場の支持も得られない。過去政権誕生時の株価の反応は二つに分かれる。金融所得課税を打ち出した岸田氏、財政健全化路線を主張していた石橋氏の政権発足時、株式市場は大幅下落で反応し、厳しい財政スタンスの緩和を余儀なくされた。それに対して第二次安部政権発足時には、日経平均は半年で73%という急騰を見せ、安部氏の政策(アベノミス)遂行を後押しした。株式市場の支援がなければアベノミクスは頓挫していただろう。

