アイデミー(5577) デジタル人材育成支援をきっかけにデジタル変革支援に展開する事業モデル

2023/06/27

AI/DX内製化支援を通じて企業の変革をサポート
デジタル人材育成支援をきっかけにデジタル変革支援に展開する事業モデル

業種:情報・通信業
アナリスト:髙木伸行

◆ 主に企業のAI/DX内製化を支援
アイデミー(以下、同社)は、「先端技術を、経済実装する。」をミッションに掲げ、AIなどの新しいソフトウエア技術をいち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速することを使命としている。

同社の事業は、企業向けにデジタル人材の育成支援を行う「AI/DXプロダクト(デジタル人材育成支援)」、顧客企業と密接に協力してプロジェクトを進め、デジタル変革を支援する「AI/DXソリューション(デジタル変革伴走型支援)」、個人向けのリスキリングを支援する「AI/DXリスキリング(個人向けAI/DXリスキリング支援)」で構成されている(図表1)。

22/5期の売上構成比は、17年9月に開始したAI/DXリスキリングが20.8%、18年7月に開始したAI/DXプロダクトが74.0%、20年4月に開始のAI/DXソリューションが5.2%を占めた。AI/DXプロダクトとAI/DXソリューションは企業向け、AI/DXリスキリングは個人を対象としており、法人向け売上高が約8割を占めている。

(1)AI/DXプロダクト(デジタル人材育成支援)
AI/DXプロダクト事業として、企業向けにデジタル人材の育成支援を行う、同社の主要サービスである「Aidemy Business」を提供している。AidemyBusinessはライセンス数に応じた利用料金を受け取るSaaS形態のサービスで、顧客企業内での利用者が多くなるにつれて、1ユーザー当たりの利用単価が低減する価格体系となっている。

Aidemy Businessは、PCやモバイル端末を使ってデジタル人材を育成することが出来るオンラインラーニングシステムである。コンテンツには、5分から10分程度の動画形式のものや実際にタイピングして習得する形式がある。23年4月時点で188コースがあり、顧客企業に合ったカリキュラムをカスタマイズして提供している。

従業員1,000名以上の企業グループをエンタープライズ企業と同社は定義し、それらを対象にサービスを提供することを原則としている。Web広告やセミナー開催といったインバウンドマーケティングや販売パートナーの活用、テレマーケティング、DMといったアウトバウンドマーケティングにより顧客を獲得している。

サービスの提供期間は原則として12カ月以上としており、12カ月以上の契約顧客企業を「標準契約企業」、12カ月未満を「トライアル契約企業」と区分している。足元の四半期を含む4四半期連続で契約中の顧客企業を「長期継続顧客数」と定義しKPIとして重視しているが、長期継続顧客数は着実に増加している(図表2)。

22年11月時点で、それまでの12カ月間の顧客企業数(AI/DXソリューションの顧客も含む)は263社、エンタープライズ顧客比率は95%以上、時期は異なるが、23/5期第3四半期の長期継続顧客への売上高は総売上高の74%を占めた。

Aidemy Businessに付随したサービスとして講師を派遣し、デジタル人材研修を行う「Aidemy Practice」を提供している。Aidemy Businessと組み合わせた反転学習注1により、効果の高い研修を行うことが出来る。また、個人のデジタルスキルを評価するためのアセスメントテストや顧客企業のGX注2人材育成支援コンテンツ提供や顧客企業のGX新規事業支援サービスも提供している。

(2)AI/DXソリューション(デジタル変革伴走型支援)
同事業では、主にエンタープライズ企業を対象にDXプロジェクト実行におけるテーマ選定、PoC注3開発、システム開発、運用までの領域を顧客伴走型で支援するサービス「Modeloy」を提供している。ちなみにシステム開発支援では、アジャイル開発注4手法を用いることを前提としている。

顧客企業のビジネスモデルをDX化するために、Aidemy Businessによって育成された顧客企業のデジタル人材とともにプロジェクトを立ち上げ、顧客企業内にノウハウが蓄積できる形で支援するというものである。

3)AI/DXリスキリング
同事業で提供しているAidemy Premiumは、個人領域におけるデジタル人材育成支援システムで、すぐに使えるデジタルスキルを3カ月~6カ月で習得できるように設計されている。23年4月時点で、7つの講座をオンラインで提供しているが、このうちの4講座は厚生労働省指定の教育訓練給付制度注5を利用できる。

◆ 費用構造
売上原価は主としてコンテンツ開発費、Aidemy Practiceの研修講師、Modeloyのエンジニアやデータサイエンティストの人件費、外注費で構成されている。22/5期の売上総利益率は73.6%と比較的高い水準であった。

販売費及び一般管理費(以下、販管費)については人件費、マーケティング費用や販売パートナーへの報酬で構成される広告宣伝費、及び支払報酬料が主要な費用である。22/5期については、支払報酬料や積極的なマーケティングを行った結果、広告宣伝費が増加し販管費率が74.7%と高い水準となり営業損失となった。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。