I-ne<4933> IT を活用した独自の開発モデルによる新規ブランド・商品開発が強み
BOTANIST ブランドを中心にヘアケア製品やスキンケア製品を開発・販売
IT を活用した独自の開発モデルによる新規ブランド・商品開発が強み
業種: 化学
アナリスト:髙木伸行
◆ 植物由来を前面に出した BOTANIST ブランドが主力
I-ne(以下、同社)グループは、ヘアケア製品、美容家電、健康食品関連 のブランド及び製商品の開発・販売を行っている。同社グループは同社及 び連結子会社 4 社(このうち台湾子会社は清算手続中であり、上海子会社 は 20 年 7 月に設立されたばかり)で構成されている。
同社グループが扱う主力ブランドは 15 年 1 月に発売した「BOTANIST(ボタ ニスト)」で 19/12 期の売上高の 55.3%を占めている(図表 1)。同ブランドは 「植物と共に生きる」をコンセプトとしており、植物由来の成分と使用感にこ だわった製品に特徴がある。シャンプー、トリートメントからスタートしヘアミル クやヘアオイル、ボディーソープなどがラインアップに加わっている。
次に売上高の大きいのが、美容家電ブランドである「SALONIA(サロニア)」 で、19/12 期の売上構成比は 26.1%に達している。12 年 5 月のヘアアイロン の販売から開始し、その後はドライヤーやその周辺商品へと展開している。
その他のブランドには、美容液成分高配合のスキンケアブランド 「skinvill(スキンビル)」、ニコチンゼロの次世代型タバコ「NICOLESS (ニコレス)」、タレントのダレノガレ明美と共同開発したブランドで ある「CAROME.(カロミー)」、日本コカ・コーラと設立した Endian が手掛けるリラクゼーションドリンク「CHILLOUT(チルアウト)」、 保湿成分である海泥と海洋深層水のミネラルの力でダメージを受けた 髪を保湿・修復するシャンプー・トリートメントである「DROAS(ド ロアス)」等がある。
◆ 日本国内での販売が中心
販売エリアを基にした国内事業と海外事業の 2 つを報告セグメントとしてい るが、足元では売上高、利益の大半が国内事業からである(図表 2)。
国内の主な販売ルートは、卸売業者からドラッグストア、量販店、バラエティ ショップを経由す るオフラインルートである。この他、原宿表参道の BOTANIST の旗艦店である「BOTANIST Tokyo」と梅田の「BOTANIST ルク ア大阪店」の自社店舗によるものも含まれる。以上のオフラインルートにイン ターネットモール並びに自社サイト経由のオンラインルートが加わる。
海外での販売ルートも国内同様、オンライン、オフラインの両ルート経由で 行われている。19/12 期では 14 カ国での販売実績があり、3 分の 2 を中国が 占めている。
同社との取引額の大きい卸売業者としては、あらた(2733 東証一部)、大木 ヘルスケアホールディングス(3417 東証 JQS)傘下の大木、Polite(東京都中 央区)が開示されており、この 3 社向けの売上高は全体の売上高の 50%程 度を占めている(図表 3)