セクハラ・パワハラへの対応
・世の中にはルールがある。厳密な法規制によるものから、暗黙のルールみたいなものまで、風習とか習慣に類するものまで多様である。自らの70数年の人生は、昭和100年の中に属しているが、昭和の匂いといってかたづけられない重大な問題を孕んでいる。
・よこしまな心は誰の中にもある。それが抑えられないと、倫理的に不条理なことを平気でやってしまう。あの子が、あの人が、あの学者が、あの経営者が、など身の回りでいくつも事例が起きた。それをつぶさにみていくと、欲望、欲情に負けてしまった面と、そもそもそんなことを悪いと思っていない腐った人間性の両面がありそうだ。
・小さな男の子が上位の男性にセクハラを受けている。どうすればよいのか。その子は恐ろしくて、黙っているしかない。我慢してやり過ごしてしまうのだろうか。やはり聞き出して、上位の男性をたたきのめす必要がある。丸くおさめるのではなく、法的、社会的制裁が必要である。
・恋愛感情というのは、一方的に生じうる。好感をもったとして、その後どうしたいのか。相互理解の上で、交際に向かうのか。何らかの策略で騙そうとするのか。それを一定の組織中の上下関係を利用するのか。外部のつながりに乗るのか。いずれにしても、よこしまな気持ちを成し遂げようと必死になる。
・結婚していようが離婚していようが、一方的という行動はどこにでもみられる。社会的規範として不倫は認められないが、互いの感情が一方的に優先してしまうことはよくある。世に不倫はあふれている。それが暴露された場合の社会的制裁は一般にきつい。
・人の一方的行動に歯止めがきかなくなると、犯罪のような事件となる。刑事、民事として司法の判断を仰ぐことになる。ヒトは何かにとりつかれる。憑りつかれると、常軌を逸する。
・ジャニーズ問題について、知る人は早くから知っていた。裁判でも明確な判断が出たにも関わらず、犯罪集団のジャニーズのタレントを使い続けた。エンタメの巨大な組織であるから、そこのタレントを自ら金儲けのために有利に使おうとした。
・一部のマスコミから火がついて、社会問題となった。テレビ局もスポンサーも一斉にジャニーズを使わなくなった。そこで、超ワンマン未上場のジャニーズも改革に動き出した。会社を分割して、被害者救済組織と、事業継続組織に分けた。世の中にジャニーズなどなくても別に困らない。風向きはガラッと変わった。
・STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)にパーパス(社会的存在意義)はあるのか。タレントジュニア(小中高大)の人権をいかに守るか。CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を置いて、内部通報制度を機能させ、メンタルヘルスに十分なエンゲージメントをとろうとしている。エンタメの‘推し’ビジネスは隆盛である。ここに乗って再生を期すSTARTOに注目したい。
・フジテレビはどうか。ありえないことが起きていた。何が性的興奮か。人によって嗜好は異なるが、あまりにもうかつであった。このタレントは犯罪者であろうか。ならば、罪を償ってもらう必要がある。痴漢行為をしたり、ストーカー行為をしたり、不同意性交をしたりなど、変な人間は私の周辺にもいた。
・時代のなせるところであるが、犯罪者となった人も多い。処罰を受けた者がいる一方で、そのままつかまらず、公にもならず、やり過ごせた不届き者もいる。被害者が名乗りを上げて、社会的に戦う必要がある。しかし、未だにこのハードルは高い。
・ワンマン経営者はすぐに犯人捜しをする。取り巻きは、すぐにご注進におよぶ。主観的判断でとりあえず決着させようとする。利害を損得で判断する。利己的であって、利他を考える度量がない。
・同じ経営風土で育ってくると、似たもの同士となる。一家言いえる人、時に正論を言う人、耳が痛いことでも聞かざるをえない人を、回りから排除して、裸の王様となっている。
・ワンマン経営者の取締役会は機能するか。当然、機能しない。フジテレビのケースでいえば、ここ10年の取締役は全員責任が問われる。ガバナンス体制を一新しない限り、顧客(スポンサー)は戻ってこない。そもそもフジテレビにパーパス(社会的存在意義)はあるのか。
・このマスメディアがなくても何ら困らない。フジサンケイグループは解体した方がよい。どうしてもフジテレビを継続したいなら、抜本的なガバナンス改革を実施すべきである。その方策は、これまでの大手上場企業の改革で分かっている。
・それで企業として残ったとしても、次の成長戦略はどうするのか。今の現場からそのアイディアと実行力のある人材が出てくるのか。常識的には難しい。これまでのカルチャーに10年、20年染まってきた人に革新は期待できない。
・外部人材を入れて、経営を一新する必要があろう。人材を集めやすいという点では、STARTOよりやりやすいといえよう。テレビ、ラジオ、新聞、広告などのメディアをみると、オールドメディアはとにかく体質が古く、年寄りが多い。組織改革が遅れている。新しいメディアの台頭が著しい中で、どのように生き残るのか。
・フジテレビは株主のものであるが、誰のために存在するのか。誰が株主か。本当に再生できるのか。これまでの経営陣では難しい。次の経営陣でも十分ではあるまい。ガバナンスに優れた企業と連携して、外部の力で改革のスピードアップを図ってほしい。今後の動きに注目したい。
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