ALiNKインターネット<7077> 「tenki.jp」のページビュー単価の動向が業績拡大ペースの鍵を握る
天気予報専門の大手メディア「tenki.jp」を運営
「tenki.jp」のページビュー単価の動向が業績拡大ペースの鍵を握る
業種: サービス
アナリスト: 藤野 敬太
◆ 天気予報専門メディア「tenki.jp」を運営
ALiNKインターネット(以下、同社)は、「気象情報×インターネット」を事業領域とする企業であり、天気予報専門メディアの「tenki.jp」の運営を行っている。「tenki.jp」はインターネットに情報を提供する天気専門メディアの中では大手3強の一角を占める。また、売上構成比としては小さいが、「tenki.jp 登山天気」も運営している。
◆ 「tenki.jp」は日本気象協会との共同運営
「tenki.jp」は、一般財団法人日本気象協会(東京都豊島区 以下、気象協会)との共同事業として運営されている。気象協会は、民間の予報業務許可事業者の中で全国的に展開している大手事業者である。気象協会としては、BtoB向けの気象サービスは気象協会自身で行い、BtoC向けの気象サービスを「tenki.jp」を通じて展開するということになる。
「tenki.jp」の運営のための様々な役割を両社で分担している(図表1)。同社のみが担当する役割としては、システムの運用や開発、運用型広告業務、マーケティングがあり、気象協会のみが担当する役割は、気象データをはじめとする各種データの提供や、業務に必要な契約手続き等がある。それ以外の役割については、主担当や副担当を明確にしているものもあるが、両社が共同で行っている。
「tenki.jp」は天気情報のメディアを志向しているため、有料課金は行わない方針を採っている。そのため、「tenki.jp」の収入のほとんどが広告収入となる。広告収入の内訳は、運用型広告によるものが90%以上、純広告によるものが10%以下である。なお、「tenki.jp 登山天気」は月額課金を行っているため、「tenki.jp」とは別のサイトという位置づけになっている。
これらの広告収入は、一旦、気象協会に入金される。その後、定められたレベニューシェアの割合に応じて気象協会から配分される。そのため、同社の売上高の大半が気象協会に対するものとなっている。なお、レベニューシェアの割合は、同社が49.5%、気象協会が50.5%である。
◆ 「tenki.jp」の状況
「tenki.jp」は増加の幅の波はあるものの、これまで順調にページビュー(以下、PV)数を増やし続け、19/2期は41.3億PVのトラフィックを集めた。また、トラフィックを端末の種類別に見ると、16/2期まではPCとPC以外がほぼ拮抗していたが、17/2期以降はPC以外の比率が上昇し、19/2期はPCの比率が26.1%、PC以外の比率が73.9%となった(図表2)。