(6575)ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス コロナ禍でも営業増益を見込む

2021/01/28

 

渡部 昭彦 社長

ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス株式会社(6575)

 

 

企業情報

市場

東証マザーズ

業種

サービス業

代表者

渡部 昭彦

所在地

東京都港区南青山1-3-3 青山一丁目タワー4階

決算月

3月

HP

https://www.humanassociates.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

648円

3,249,866株

2,105百万円

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

10.13円

64.0倍

366.20円

1.8倍

*株価は12/10終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2017年3月(実)

1,675

203

229

113

41.47

24.30

2018年3月(実)

1,948

255

257

176

64.32

19.29

2019年3月(実)

1,883

147

148

182

61.56

18.36

2020年3月(実)

2,643

20

18

-25

10.00

2021年3月(予)

2,717

50

66

32

10.13

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2018年1月、1株を2株に分割(EPSを遡及修正)。

 

ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(株)の2021年3月期第2四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期第2四半期決算概要
3.2021年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 21/3期上期は前年同期比10.7%の減収、1.0億円の営業損失(前年同期は0.5億円の利益)。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、営業活動の停滞、採用活動の遅延・中断、更には企業研修の延期・中止等が発生し売上が減少。人員増強に伴う販管費の増加が負担になった。四半期ベースでは、1Q(4-6月)の損失を吸収できなかったものの、2Q(7-9月)は売上が回復に向かい、利益を計上した。

     

  • 21/3期予想は前年同期比2.8%の増収、同154.5%の営業増益予想。メンタルヘルスケア事業の売上が減少するものの、前期採用したコンサルタントの戦力化で人材紹介事業の売上が同3.2%増加する他、通期で業績を取り込む人材育成事業の売上も同14.6%増加する(12ヶ月間の業績では、コロナ禍で前期比減収)。利益面では、メンタルヘルスケア事業及び人材育成事業の利益が減少するものの、一人当たり生産性の向上による人材紹介事業の利益増で吸収する。

     

  • 11月以降、新型コロナウイルス感染症の感染第3波といえる状況だが、同社の下期見通しは比較的明るい。人材紹介事業では、前期採用したコンサルタントの戦力化と営業活動のオンライン対応が進んでおり、AI・DX関連の人材や新規事業に向けた人材等、高付加価値人材に対する需要を取り込んでいく。また、メンタルヘルスケア事業では3Q(10-12月)にストレスチェックがピークを迎え、対面での集合研修が中心だった人材育成事業も、他の2事業と同様にオンライン対応が進んでいる。21/3期はコロナ禍にもかかわらず2期ぶりの営業増益が見込まれ、来期以降の展開にも期待が高まる。

     

1.会社概要

持株会社である同社の下、グループで、組織人材向けのカウンセリング、ストレスチェック、更にはその後のフォローアップサービスを行うメンタルヘルスケア事業、エグゼクティブやグローバル人材などミドルマネジメント以上の人材に特化した人材紹介事業及び研修やアセスメント、ICTを活用した人材育成ソリューションを提供する人材育成事業を手掛けている。

 

グループは、持株会社であるヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(株)の他、組織人材のメンタルヘルスケアを行うヒューマン・フロンティア(株)、会社経営層や高度スペシャリストのエグゼクティブサーチを行うAIMSインターナショナルジャパン(株)、グローバル人材紹介やミドルマネジメント層を中心にした登録型人材紹介の(株)A・ヒューマン、人材育成(研修)事業を展開するサイコム・ブレインズ(株)の100%子会社5社、及び持分法非適用非連結子会社4社。

 

【グループ理念 : 未来をつくるのは、ひとの力だ 】

創業より「企業における人材価値の向上」をミッションとし、顧客企業をサポートしてきたが、同社グループ従業員も含めた全ての働く「ひと」に焦点を当て、「ひと」から選ばれるヒューマン・アソシエイツグループを目指し、2020年4月1日にグループ共通の理念「未来をつくるのは、ひとの力だ」を制定した。

 

1-1 事業概要

事業は、メンタルヘルスケア事業、人材紹介事業、及び人材育成事業に分かれる。20/3期の売上構成は、メンタルヘルスケア事業33%、人材紹介事業43%、人材育成事業24%(人材育成事業は9ヶ月累計)。

 

メンタルヘルスケア事業
事業会社ヒューマン・フロンティア(株)が、カウンセリング、ストレスチェック及びその後のフォローアップサービス、及び各種研修等のメンタルヘルスケアサービスをワンストップで提供している。導入実績は大企業を中心に約1,000社、全国約80名のカウンセラーが顧客企業の現場に赴いてEAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)を提供しており、EAPカウンセリングを通して培ったノウハウを活かして、管理職向けメンタルヘルスケア研修、パワハラ研修、ワークライフバランス研修等の研修や、ストレスチェック・組織分析、休業者・復職者支援プログラム、CISM(Critical Incident Stress Management)、組織コンサルテーション等のサービスも提供している。
ストレスチェックについては、2015年12月の改正労働安全衛生法の施行に伴い、従業員50名以上の事業所で実施が義務化され需要が拡大した。顧客企業の従業員の回答を集計し、問題点等を整理・分析して企業に提出する。また、ストレスチェックを通して、組織上の問題が浮き彫りになれば、組織コンサルテーションを通じて様々なコンサル提案により問題の解決を支援する。

 

強みは、他社では対応が難しい、メンタルヘルス対策の一次予防から三次予防までのワンストップ提供と「現場型」出張カウンセリング。メンタルヘルス対策に対するニーズは、企業規模に比例して多様化する傾向があるが、同社のように、多様化する企業ニーズに全国規模かつワンストップで、柔軟に対応できる企業は限られる。

 

人材紹介事業
ミドルマネジメント以上の人材紹介に特化して、特色のある事業会社2社が人材サービスを展開している。2社とは、会社経営層や高度スペシャリストのエグゼクティブサーチを手掛けるAIMSインターナショナルジャパン(株)、ミドルマネジメント層を中心に紹介する登録型人材紹介とグローバル人材紹介を手掛ける(株)A・ヒューマンである。

 

各業界で勤務経験を持ち業界知識の豊富なコンサルタントを確保している事が強みであり、インターナショナル領域では、Optia Partners(株)の充実したコンサルタント陣に加え、AIMSインターナショナルジャパン(株)の提携先であるAIMS Internationalとの連携が強み。Optia Partners(株)はコンサルタントの9割超が外国人のため外資系企業のトップ(外国人)へアプローチしやすく、的確にニーズをつかむ事ができる。AIMS Internationalとの連携では、世界50ヶ国、80ヶ所以上の拠点を構え、約270名のパートナー・コンサルタントを擁するエグゼクティブサーチネットワークを活用できる。

 

人材育成事業
2019年7月に完全子会社化したサイコム・ブレインズ(株)の事業領域である。同社は1996年に設立された人材開発・組織開発専門のコンサルティング会社であり、企業の人材育成、業績向上、組織変革のための気づき、学び、行動変容のプロセスを構築するために、アセスメント(評価)、研修、オンラインコンテンツ、効果測定等を組み合わせ、クライアント企業にとって最適なソリューションを提供している。また、国内だけでなく、上海、バンコク、ジャカルタに拠点を有し、東京を含めた各拠点と現地のネットワークを活かし、クライアント企業のアジア事業の中核を担う現地社員の育成も支援している。

 

コンサルティング機能を活かした企業研修、多言語対応の映像講座、短時間かつ持続的な受講を可能とするオンラインやモバイルツールを活用したサービス等、社員の能力向上と企業の業績向上につながる個別性の高い学習プログラムの提供を強みとしている。

2.2021年3月期第2四半期決算概要

【新型コロナウイルス感染症による影響と今後の展開】

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、メンタルヘルスケア事業及び人材育成事業では対面による集合研修の延期が発生し、人材紹介事業では採用活動の遅延や凍結が発生した。各事業において、非接触によるサービス体制を強化する等、Withコロナ・Afterコロナを見据えた取り組みを進めた。

 

メンタルヘルスケア事業
オンラインを活用した研修サービスの提供を開始した。また、研修によるハラスメント予防、相談(通報)窓口、カウンセリングによるケア等、6月のパワーハラスメント防止法施行を踏まえたサービスを拡充した。

 

人材紹介事業
オンラインを活用して求職者との面談や顧客への人材紹介サービスを継続する一方、企業ニーズを識別し、AI人材等付加価値の高い人材の紹介強化に向けた取り組みを進めた。また、採用した社員の早期戦力化による一人当たりの生産性向上を念頭に、コンサルタントのサポート体制強化を目的とした組織体制の見直しを行った。

 

人材育成事業
バーチャル研修への移行を進める一方、自律学習とキャリアアップを支援する見放題動画など個人向けの商品を開発し投入した。プロモーション活動や代理店開拓等販売活動を強化し、新たなビジネスモデルの確立に取り組んでいく。

 

2-1 上期連結業績

 

20/3期 上期

構成比

21/3期 上期

構成比

前年同期比

売上高

1,269

100.0%

1,133

100.0%

-10.7%

売上総利益

1,008

79.4%

928

81.8%

-7.9%

販管費

955

75.3%

1,029

90.8%

+7.7%

営業利益

52

4.1%

-101

経常利益

51

4.0%

-99

親会社株主帰属利益

25

2.0%

-73

* 単位:百万円

 

前年同期比10.7%の減収、101百万円の営業損失(前年同期は52百万円の利益)
売上高は前年同期比10.7%減の11.3億円。対面による集合研修の延期でメンタルヘルスケア事業が同15.2%減少した他、採用活動の遅延・凍結で人材紹介事業も同16.0%減少した。一方、前期第2四半期から連結決算に取り込んだ人材育成事業は同7.7%増加した(前年同期は7-9月の3ヶ月間の業績を取り込み)。
損益面では、売上の減少で売上総利益が減少する中、人員増強に伴い販管費が増加したため1.0億円の営業損失となった。助成金収入の計上で営業外損益が改善したことに加え、法人税等の還付もあり、最終損失は0.7億円にとどまった。

 

2-2 セグメント別動向

 

20/3期 上期

構成比・利益率

21/3期 上期

構成比・利益率

前年同期比

メンタルヘルスケア事業

433

34.1%

367

32.4%

-15.2%

人材紹介事業

568

44.7%

477

42.1%

-16.0%

人材育成事業

268

21.1%

289

25.5%

+7.7%

連結売上高

1,269

100.0%

1,133

100.0%

-10.7%

メンタルヘルスケア事業

89

20.6%

77

21.1%

-12.8%

人材紹介事業

96

17.1%

26

5.5%

-73.1%

人材育成事業

31

 

-38

調整額

-165

-166

連結営業利益

52

4.1%

-101

* 単位:百万円

 

メンタルヘルスケア事業
売上高3.6億円(前年同期比15.2%減)、セグメント利益0.7億円(同12.8%減)。対面による集合研修やストレスチェックの延期が発生した。リアル研修をオンライン研修へ移行して対応を進めたが、売上・利益が減少した。新たな研修メニューの開発を進めると共に、「新型コロナウイルス対応セルフケア特設サイト」を4月に開設し、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出の自粛等、生活スタイルが突然大きく変化したことによる個人の抱えるストレス軽減に向けたサービスに力を入れた。

 

人材紹介事業
売上高4.7億円(前年同期比16.0%減)、セグメント利益0.2億円(同73.1%減)。オンラインを活用した求職者との面談や顧客への人材紹介サービスを継続したが、顧客企業の一部で発生した採用活動の遅延や凍結の影響を吸収できなかった。外部環境変化への迅速な対応に向け、HPや業務システム等を見直し、インフラの整備を進めた。

 

人材育成事業
売上高2.8億円、セグメント損失0.3億円。前第2四半期からの連結決算への取り込みであり、前年同期は7-9月の3ヶ月間の業績である。新型コロナウイルス感染症の影響により企業研修の延期やキャンセルが発生した。ただ、バーチャル研修や研修動画見放題のライブラリサービス「ビジネスマスターズ®」の提供が奏功し、足元では回復傾向にある。4月・5月の売上低迷で第1四半期(4-6月)に0.7億円のセグメント損失を計上したが、第2四半期(7-9月)は売上が徐々に回復。しかし、4月5月の売り上げ低迷をカバーできず0.3億円の損失を計上した。
尚、ライブラリサービス「ビジネスマスターズ®」では、1,850本以上の研修動画を定額で視聴できる(定額見放題)。2020年4月にサービスを開始した。

 

 

四半期セグメント売上高・利益

 

20/3-1Q

2Q

3Q

4Q

21/3-1Q

2Q

メンタルヘルスケア事業

166

267

258

172

145

222

人材紹介事業

322

245

281

288

249

227

人材育成事業

0

268

228

145

82

207

連結売上高

488

781

767

606

477

656

メンタルヘルスケア事業

4

84

81

22

14

62

人材紹介事業

78

18

6

35

20

5

人材育成事業

0

31

15

-40

-72

34

調整額

-75

-90

-87

-65

-90

-75

連結営業利益

7

44

15

-48

-128

27

* 単位:百万円

 

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

20年3月

20年9月

 

20年3月

20年9月

現預金

789

887

未払金

223

164

流動資産

1,159

1,256

前受金

122

163

有形固定資産

234

224

有利子負債合計

426

639

無形固定資産

753

740

負債

1,201

1,391

投資その他

243

262

純資産

1,190

1,092

固定資産

1,232

1,227

負債・純資産合計

2,391

2,484

* 単位:百万円

 

第2四半期末の総資産は前期末との比較で0.9億円増の24.8億円。フリーCFのマイナスを0.8億円にとどめる等、キャッシュアウトを抑える一方、短期借入金の借り入れにより手元流動性を高めた。自己資本比率43.6%(前期末49.6%)。

 

 

キャッシュ・フロー

 

20/3期 上期

21/3期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

122

-60

-182

投資キャッシュ・フロー(B)

-472

-26

+446

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-350

-86

+263

財務キャッシュ・フロー

336

184

-152

-45.2%

現金及び現金同等物期末残高

794

887

+93

+11.7%

* 単位:百万円

 

運転資金の減少で営業CFのマイナスが0.6億円にとどまる中、M&A関連の支出がなくなり、投資CFのマイナス幅も縮小した。

 

3.2021年3月期業績予想

3-1 通期連結業績

 

20/3期 実績

構成比

21/3期 予想

構成比

前期比

売上高

2,643

100.0%

2,717

100.0%

+2.8%

営業利益

20

0.8%

50

1.8%

+154.5%

経常利益

18

0.7%

66

2.4%

+250.8%

親会社株主帰属利益

-25

32

1.2%

* 単位:百万円

 

前年同期比2.8%の増収、同154.5%の営業増益予想
売上高は前期比.2.8%増の27.1億円。メンタルヘルスケア事業が同6.5%減少するものの、前期採用したコンサルタントの戦力化で人材紹介事業が同3.2%増加する他、通期で業績を取り込む人材育成事業も同14.6%増加する(12ヶ月間の業績では、コロナ禍で前期比減収)。利益面では、メンタルヘルスケア事業及び人材育成事業の利益が減少するものの、一人当たり生産性の向上による人材紹介事業の利益の増加で吸収する。

 

3-2 セグメント別見通しと取組み

 

20/3期 実績

構成比:利益率

21/3期 予想

構成比・利益率

前期比

メンタルヘルスケア事業

864

32.7%

807

29.7%

-6.5%

人材紹介事業

1,137

43.0%

1,174

43.2%

+3.2%

人材育成事業

641

24.3%

735

27.1%

+14.6%

連結売上高

2,643

100.0%

2,717

100.0%

+2.8%

メンタルヘルスケア事業

192

22.3%

159

19.7%

-17.5%

人材紹介事業

139

12.2%

202

17.2%

+45.5%

人材育成事業

6

1.0%

3

0.4%

-48.6%

調整額

-317

-313

連結営業利益

20

0.8%

50

1.9%

+154.5%

* 単位:百万円

 

メンタルヘルスケア事業
上期に新型コロナウイルス感染症の影響により、研修の延期やキャンセルが発生したものの、通期業績への影響は軽微である。矢野経済研究所『2020 人事・総務関連業務のアウトソーシングビジネス調査レポート』によると、EAPサービス市場の規模は290億円(2019年度予測)。同社が事業を拡大する余地は大きく、メンタルヘルス対策の一次予防(不調者発生予防)、二次予防(早期発見・早期対応)、三次予防(職場復帰・再発防止)までをワンストップで提供することで競合他社との差別化を図り、シェア拡大につなげていく。また、研修によるハラスメント予防、相談(通報)窓口、カウンセリングによるケア等、6月のパワーハラスメント防止法施行を踏まえたサービスも拡充する。

 

人材紹介事業
有効求人倍率は2020年9月時点で1.03倍と2019年12月から9ヵ月連続で低下しているが、矢野経済研究所『人材ビジネスの現状と展望2019年版』によると、ホワイトカラー人材紹介業市場は2019年度見込みで3,480億円と巨大なマーケットである。産業の高度化と共にニーズの増えているAI人材等、付加価値の高い人材の紹介に力を入れる。また、コンサルタントの早期戦力化と一人当たり生産性の向上に向け、組織体制の見直しを行い、サポート体制を強化する。

 

人材育成事業
矢野経済研究所『企業向け研修サービス市場の実態と展望2020』によると、ビジネス系研修サービス市場の規模は2020年度予測で3,180億円。リモートで行うバーチャル研修を軸に集団学習の効果を高めると共に、遠隔からも時間やコストをかけずに参加できるメリットを訴求することで、企業内研修や公開講座のニーズを掘り起していく。また、リモートワーク下での社員の知識習得・スキル強化を図るべく、キャリアプランに合わせた自発的学習を支援していく。

4.今後の注目点

11月以降、新型コロナウイルス感染症の感染第3波といえる状況だが、同社の下期の見通しは比較的明るい。コロナ禍でも、AI・DX関連の人材需要や新規事業に向けた人材需要は旺盛なようだ。人材紹介事業では、前期採用したコンサルタントの戦力化と営業活動のオンライン対応が進んでおり、下期は高付加価値人材に対する需要を取り込んでいく。また、メンタルヘルスケア事業では第3四半期(10-12月期)にストレスチェックがピークを迎え、第2四半期に延期となった一部案件の実施分も含めて売上計上される。また、対面での集合研修が中心だった人材育成事業はコロナ禍の影響が他の2事業よりも大きかったが、オンライン対応が進むと共に、顧客にライブラリサービス「ビジネスマスターズ®」が浸透してきた。
上期決算は営業損失となったが、業績は総じて回復基調にあり、21/3期はコロナ禍にもかかわらず2期ぶりの営業増益が見込まれる。来期以降の展開にも期待が高まる。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

7名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年06月26日)
基本的な考え方
・コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
 当社は、事業環境が刻々と変化する人材サービス業界において企業価値の持続的な増大を図るには、経営の効率化を図ると同時に、経営の健全性、透明性及びコンプライアンスを高めて社会的信頼に応えていくことが不可欠であるとの認識のもと、ガバナンス体制の強化・充実を重要課題と位置づけています。
 こうした認識のもと、業務分掌の実施や規程の整備等により内部統制を強化するとともに、随時体制の見直しを実施し、企業価値の向上を図ることで、株主や債権者、従業員など企業を取り巻くさまざまなステークホルダーへの利益還元に努めてまいります。
 当社は、取締役会の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るために、2019年6月27日開催の第30回定時株主総会において監査等委員会設置会社に移行いたしました。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。

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