ID ホールディングス (4709) M&A戦略の加速に注目
| 
 
 ![]() 舩越 真樹社長  | 
 株式会社 IDホールディングス(4709)  | 
| 
 
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会社情報
| 
 市場  | 
 東証1部  | 
| 
 業種  | 
 情報・通信  | 
| 
 代表取締役社長  | 
 舩越 真樹  | 
| 
 所在地  | 
 東京都千代田区五番町12-1 番町会館  | 
| 
 決算月  | 
 3月末日  | 
| 
 HP  | 
株式情報
| 
 株価  | 
 発行済株式数(自己株式を控除)  | 
 時価総額  | 
 ROE(実)  | 
 売買単位  | 
|
| 
 1,372円  | 
 11,152,166株  | 
 15,300百万円  | 
 15.3%  | 
 100株  | 
|
| 
 DPS(予)  | 
 配当利回り(予)  | 
 EPS(予)  | 
 PER(予)  | 
 BPS(実)  | 
 PBR(実)  | 
| 
 50.00円  | 
 3.6%  | 
 106.71円  | 
 12.9倍  | 
 779.45円  | 
 1.8倍  | 
*株価は9/7終値。発行済株式数は前期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
連結業績推移
| 
 決算期  | 
 売上高  | 
 営業利益  | 
 経常利益  | 
 当期純利益  | 
 EPS  | 
 DPS  | 
| 
 2017年3月(実)  | 
 21,554  | 
 1,105  | 
 1,133  | 
 654  | 
 60.13  | 
 37.00  | 
| 
 2018年3月(実)  | 
 23,207  | 
 1,254  | 
 1,274  | 
 622  | 
 56.84  | 
 40.00  | 
| 
 2019年3月(実)  | 
 26,515  | 
 1,667  | 
 1,724  | 
 1,028  | 
 93.15  | 
 40.00  | 
| 
 2020年3月(実)  | 
 26,377  | 
 2,073  | 
 2,111  | 
 1,297  | 
 116.71  | 
 50.00  | 
| 
 2021年3月(予)  | 
 24,500  | 
 2,000  | 
 2,040  | 
 1,190  | 
 106.74  | 
 50.00  | 
※単位:百万円
※予想は会社予想。
※当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益
※2017年1月1日付で1:1.5の株式分割を実施。DPSとEPSは2015年3月期まで遡及して再計算。
IDホールディングスの2021年3月期第1四半期決算概要等についてご報告致します。
目次
 今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画
3.2021年3月期第1四半期決算概要
4.2021年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 21/3期第1四半期の売上高は前年同期比10.4%減の58億81百万円。システム基盤およびサイバーセキュリティは堅調に推移したものの、ソフトウェア開発及びシステム運営管理などにおいて、大型プロジェクト5件の終了による6億2百万円の反動減があった。営業利益は同54.5%減の2億31百万円。売上の減少にともなう利益の低下に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による、顧客企業のシステム投資計画の見直し等にともなう技術者の稼働率低下が影響した。
 - 21/3期の会社計画は、売上高が前期比7.1%減の245億、営業利益が同3.5%減の20億円の期初予想から変更なし。連結売上高の過半を占める「システム運営管理」および「サイバーセキュリティ・コンサルティング」分野については、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微と想定されるものの、「ソフトウェア開発」および「システム基盤」分野については、現時点で見込まれる顧客企業のIT投資方針の変更や、進行中の案件の延期・中止等の可能性を考慮した計画となっている。1株当たり配当予想は、前々期より10円増額となった前期と同額の50円の予定を据え置き。
 - 同社のM&A戦略が加速している。同社は今期に立て続けに2社のM&Aを実施した。買収したアクティブ・ティ株式会社は、名古屋を中心に自動車業界や官公庁などの顧客基盤を有する。また、株式会社GIテクノス社は、通信キャリア業界や公共業界向けの基幹システムに関するソフトウェア開発からシステム基盤構築に加え、モバイルアプリケーション開発で強みを持つ。加えて、クラウド関連技術者や、スマートフォン・タブレット向けのモバイルアプリケーション開発技術者を多数有している。これら2社との間で今後どの様なシナジー効果が具現化してくるか注目される。
 
1.会社概要
金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社である株式会社インフォメーション・ディベロプメントを中核とする持株会社。システム運営管理とソフトウエア開発・保守を二本柱とし、一つの顧客に対し、コンサルティングからソフトウエア開発、システム運営管理等の複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcing(BOO)戦略を推進しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。尚、2013年12月17日、JASDAQから東証2部に市場変更。2014年9月8日、東証1部に上場し、2019年4月1日、持株会社体制に移行した。
【IDグループの強み】
ストックビジネスであるシステム運営管理が5割弱と高いことから、業績が安定している。IT投資の積極的なグローバル大手企業との取引高が7割前後と高いことから、今後も安定的な取引が見込める。直接契約が7割強と高いことから、顧客ニーズが直接把握でき、的確な提案を行うことができる。
【IDグループのサービスの特徴- i-Bos24®(ID’s Business Operations-Outsourcing Service 24) -】
同社は、コンサルティングからシステム基盤、ソフトウエア開発、システム運営管理、クラウド・サイバーセキュリティまで、トータルなITアウトソーシングサービス「i-Bos24®」を提供している。
ソフトウエア開発では、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。グループ内にオフショア(海外子会社に委託開発)、ニアショア(地方事業所での開発)体制を構築しており、多数の高度な専門技術者が高品質なサービスを実現し、金融機関、エネルギー、運輸をはじめとする幅広い分野の顧客へ、多くの開発実績を築いている。
システム運営管理においては、ミドルウェアのカスタマイズからハードウェアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値なソリューションを提供している。金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする様々な業種に対応し、顧客からの高い信頼を長年にわたり獲得している。システム基盤においては、システム基盤環境(メインフレーム、オープン系)の設計・構築から運用・保守までをワンストップのサービスとして提供している。
更に、クラウド・サイバーセキュリティでは、海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。

(同社HPより)
【サービス別の業績動向】
売上高は、システム運営管理、ソフトウェア開発、システム基盤、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育、その他に分かれ、サービス別の概要と売上構成比は次のとおり。
システム運営管理(21/3第1四半期期売上構成比49.8%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へ、1,200名を超える技術者が、安定した業務運営に貢献。顧客目線での最適なシステム基盤の構築 「24時間365日システムを動かす」安定したシステム運営管理サービスを提供している。また、事務代行やファイリングなどを行う「バックオフィス業務」、OA事務分野へ要員を派遣する「要員派遣業務」にも、豊富な実績を持っている。更に、オフショアを活用した高品質・廉価な一括受託にも対応している。
ソフトウェア開発(21/3期第1四半期売上構成比29.9%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へ、800名を超える技術者が、総合システムビルダーとして多くのソフトウェア開発実績を築いている。グループ内にコンサルティング、オフショア(海外子会社に委託開発)、ニアショア(地方事業所での開発)体制を構築しており、多数の高度な専門技術者が高品質なサービスを実現。国内外の有力先進企業と提携し、顧客の既存ビジネスの強化・拡大、新たな領域への挑戦を支援しており、「Ruby」認定や「ISO9001」認証(受託開発部門)取得など、常に技術・品質の向上に努めている。
システム基盤(21/3期第1四半期売上構成比10.4%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へ、300名を超える技術者が、システム運用部門・ソフトウェア開発部門・セキュリティ部門と連携し、高品質なシステム基盤を提供。メーカーソフトやシェルスクリプトなどを駆使し、環境の自動起動からバックアップ取得、更に障害時自動切替などの設計・構築を行うことで、システムの安定稼働やコスト削減・省力化を実現している。また、同社は独立系として、特定のハードやOS・開発言語にとらわれることなく、顧客目線での最適なシステム基盤を構築している。
サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育(21/3期第1四半期売上構成比7.9%)
海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供。同社は、様々なベンダーの製品を取り扱っており、特定ベンダーにこだわることなく、顧客の環境、要望、状況に応じて、最適な製品を柔軟に組み合わせ、提案している。
その他(21/3期第1四半期累計期間売上構成比2.0%)
システム運営管理、ソフトウェア開発、サイバーセキュリティ環境の構築などに付随した製品販売などがある。

DX関連ビジネスは、サイバーセキュリティ、クラウド、RPA、AI、IoTなどの先端技術を活用した高付加価値業務、ならびにITSM手法等を活用したコンサルティング業務を指す。

また、顧客別の21/3期第1四半期の売上構成比は、メガバンク、有力地銀、生損保、農林系等の金融機関が40.1%、SIer、情報通信機器ベンダー、或いは通信キャリア系情報サービス大手等の情報・通信・サービスが39.3%、公共が10.0%、製造、輸送、エネルギー等のその他が10.6%。前々期に買収した株式会社フェスは金融機関の顧客が少ないことから、金融機関の顧客別売上構成比が低下した。買収による顧客の分散は、業績の安定性向上に繋がるものと思われる。

戦略グループ別では、システム統合が完了した影響でみずほフィナンシャル・グループの比率が低下した一方、主要顧客やその他の顧客の比率が上昇した。その他、売上高の上位銘柄は、1位が主要顧客のみずほフィナンシャル・グループ21.0%、2位が戦略パートナーの日本IBM12.9%となった。売上高上位10社で全体の74.0%の比率を占めている。
 

【これまでの業績推移と今後のイメージ】

【IDグループの組織再編】
ITサービス業界を取り巻く環境は、顧客ニーズの高度化にくわえ、技術革新スピードの加速化などにより、従来になく変化の激しいものとなっている。こうした環境下、迅速かつ的確な経営判断と業務執行が不可欠と考え同社グループは、2019年4月に持株会社制へ移行した。今回の組織再編は、傘下においた事業会社を大幅に見直すことで、変革を加速し、さらなる企業価値向上と競争力強化を目指すものである。
更に同社は、2020年1月20日開催の取締役会において、同年4月1日を効力発生日とする、グループ組織再編を決議した。その主な概要は、下記の通り。
①完全子会社である株式会社フェスのITSM事業と、同じく完全子会社である株式会社インフォメーション・ディベロプメントのRPA推進事業を、新設予定の株式会社DXコンサルティングに承継させる会社分割(吸収分割)。
②株式会社インフォメーション・ディベロプメントのシステム運営管理事業の一部をフェス社に承継させる会社分割(吸収分割)を行い、フェス社の商号を株式会社IDデータセンターマネジメントに変更。

(同社決算説明資料より)
【コーポレート・ガバナンス体制】

(同社決算説明資料より)
【情報サービス業の動向】

(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」を基に(株)インベストメントブリッジ作成)
内閣府が8月17日に発表した20年4-6月の国内総生産(GDP、季節調整済み)1次速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比7.8%減(年率換算で27.8%減)と3四半期連続のマイナス成長となった。比較可能な1980年以降でこれまで最大だった2009年1-3月期(前期比年率17.8%減)を超えた。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言などにより、経済活動が停滞したことが影響した。情報サービス産業との関連性が深い民間企業設備(実質)も前期比1.5%減と、2四半期ぶりのマイナスとなった。また、経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(8月18日発表、20年6月分確報値)によると、6月の情報サービス産業売上高は前年同月比0.3%減とマイナス成長となったものの、5月の同4.1減からは改善した。同社と関連性の高い受託ソフトウェアとシステム等管理運営受託の売上高も6月は前年同期比でマイナス成長となったものの、同様に5月よりもマイナス幅が縮小した。緊急事態宣言解除による経済活動の再開により、同社が関連する業界においても売上高が回復傾向となっていることが確認された。
2.中期経営計画
【中期経営計画「Next 50 EpisodeⅠ覚醒(Awakening)!」(2020年3月期~2022年3月期)】
1.概要
近年、情報サービス業界において、RPA・AIなどのデジタル技術を活用した既存ビジネスの変革(DX【Digital Transformation】)の急速な進展や、システムの「所有」から「利用」への転換、IoT機器の急激な増加、高度化するサイバー攻撃など、ITをとりまく顧客ニーズが多様化し、経営環境が大きく変動している。このような市場の変化を成長機会ととらえ、更なる事業拡大に取り組むべく、同社グループでは、中期経営計画「Next 50 Episode Ⅰ覚醒 (Awakening)!」を策定した。
「Next 50 Episode Ⅰ覚醒 (Awakening)!」は、3つの基本方針【「未来志向型企業文化の醸成」「デジタルトランスフォーメーション(DX、注1)によるUP-GradeされたBusiness Modelの展開」「ESG(注2)の推進」】からなり、新中期経営計画の3年間を、新たな50年の飛躍の基盤を作るための期間と位置づけ、将来の成長を見据えた戦略を実行し、企業価値の向上をさせながら、安定的かつ継続的な株主還元を実施する方針。
また、最終年度である2022年3月期の重点数値目標は、売上高300億円、売上高営業利益18億50百万円、営業利益
6.2%。
| 
 
  | 
 19/3期 実績  | 
 22/3期 目標  | 
| 
 売上高  | 
 26,515  | 
 30,000  | 
| 
 営業利益  | 
 1,667  | 
 1,850  | 
| 
 売上高営業利益率  | 
 6.3%  | 
 6.2%  | 
※単位:百万円
(注1):Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)とは、既存のサービスソリューションに、RPAやAI、IoTなどアドバンスト・テクノロジー(先端技術)を組み合わせることで、既存ビジネスを変革すること。
(注2)ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字。各分野への適切な対応が企業の長期的成長の原動力となり、持続可能な社会の形成に役立つという考え方。
2.基本方針と取組み状況

(同社中期経営計画より)
①未来志向型企業文化の醸成
持続的な成長には、人材の多様性およびイノベーションの創出が欠かせないとの考えのもと、多様な人材の採用・育成に取り組むとともに、各自が能力を最大限発揮できるよう、引き続き組織・制度・環境を整備する。また、未来に向けて挑戦する風土の醸成およびイノベーションの創出を進める。
【取組み実績】
・ソフトウェア開発部門において、一括受託型プロジェクトの管理強化や国内外の各拠点を含めた適正な人員配置を行なうため、グローバルイノベーションセンター(GIC)を新設
・新型コロナウイルスとの共存を見据えた柔軟で効率的な働き方を推進するため、社内改革「ニューノーマル適応プロジェクト」を開始
・同社グループ全体でアイデアや技術を共有し、新たなビジネスにつなげることを目的とした
「ニューノーマル・アイデア提案表彰制度」を新設
・社内人財(注)に関するデータを一元管理し、柔軟かつ迅速に経営課題に対応した人事戦略を立案するため、人財マネジメン 
トシステムを導入
・社員による技術コンテンツの作成や共有が可能な社内向けeラーニングシステム「ID Campus」をリリース
(注):同社は、社員が会社の重要な財産のひとつであるとの考えから、「人材」を「人財」と表記している。
②デジタルトランスフォーメーション( DX )によるUP-GradeされたBusiness Modelの展開
近年の急激なデジタル化の流れを受けて、顧客企業は新たなテクノロジーの導入・活用を積極的に進めている。同社グループは、長年蓄積してきた顧客システムに関する業務知識やノウハウをもとに、既存のサービスソリューションにアドバンスト・テクノロジーを組み合わせることで、顧客ニーズにあった付加価値の高い、UP-Grade されたサービスモデルを提供する。
こうしたサービスモデルの実現に向けて、この3か年は技術者育成に重点をおき、積極的に教育投資を行う。また、従来のサービスをより上流工程へとシフトすることで、人月型ビジネスから成果報酬型ビジネスへ転換を図る。更に、既存事業の拡大に加え、新規領域への積極的な投資を行い、競争優位性を高め、収益性向上を図る方針。
【取組み実績】
・株式会社インフォメーション・ディベロプメント(以下、「ID社」)が、遠隔作業支援システムIDEye(アイディアイ)に新機能を追加し、作業効率の大幅な向上を実現
・ID社が、高度なセキュリティ製品であるSeceon OTMを活用した「ネットワーク監視&インシデント対応サービスNDR(Network Detection and Response)」の提供を開始
・株式会社DXコンサルティングが、業務支援ツール(ITサービスマネジメントツール等)をリモートでも導入可能な「らくらく導入支援サービス」を開始
(注): デジタルトランスフォーメーションとは、既存のサービスソリューションに、RPAやAI、IoTなどアドバンスト・テクノロジー(先端技術)を組み合わせることで、既存ビジネスを変革すること。

(同社決算説明資料より)

(同社決算説明資料より)
また、同社は、今後M&Aを活用し、サービス型ビジネスモデルへの移行を加速する方針である。その目的は、以下のとおりである。
新たな顧客を獲得し、既存分野の事業を拡大する。DX技術を取り込み、既存サービスのアップグレードを推進する。新分野への進出、ならびに人月に頼らない新たな収益の柱を創出する。
対象企業の技術力、顧客基盤、従業員スキルなどを、同社グループの経営資源とかけあわせることで、シナジーの創出を図る予定である。
③ESGの推進
同社は情報サービスの提供を通じて社会課題の解決に取り組むとともに、持続的な成長および社会価値の創造を目指している。ESGの各分野での取組みを強化することで、顧客、株主、従業員などすべてのステークホルダーとともに成長・発展していけるよう努める。
【取組み実績】
・同社グループの内部統制体制の整備・運用状況を定期的に評価し、必要な改善措置を議論・検討することを目的として、グル
ープ内部統制会議を設置
・リモートアクセスサービスの利用やサテライトオフィスの活用により、同社グループの約半数の社員がテレワークを実施
・新型コロナウイルス感染拡大により活動を制限されている芸術家を支援するため、演奏動画をホームページにて公開
・「IDグループ献血DAY」を開催し、日本赤十字社により献血サポーターに認定
・慶應義塾大学に対してCOVID-19の研究費を寄付
3.2021年3月期第1四半期決算概要
(1)連結業績
| 
 
  | 
 20/3期 第1四半期  | 
 構成比  | 
 21/3期 第1四半期  | 
 構成比  | 
 前年同期比  | 
| 
 売上高  | 
 6,562  | 
 100.0%  | 
 5,881  | 
 100.0%  | 
 -10.4%  | 
| 
 売上総利益  | 
 1,587  | 
 24.2%  | 
 1,332  | 
 22.7%  | 
 -16.1%  | 
| 
 販管費  | 
 1,080  | 
 16.5%  | 
 1,101  | 
 18.7%  | 
 +1.9%  | 
| 
 営業利益  | 
 507  | 
 7.7%  | 
 231  | 
 3.9%  | 
 -54.5%  | 
| 
 経常利益  | 
 514  | 
 7.8%  | 
 270  | 
 4.6%  | 
 -47.5%  | 
| 
 当期純利益  | 
 324  | 
 5.0%  | 
 137  | 
 2.3%  | 
 -57.8%  | 
※単位:百万円
※当期純利益は、親会社株主に帰属する四半期純利益
前年同期比10.4%の減収、同54.5%の営業減益。
売上高は前年同期比10.4%減の58億81百万円。システム基盤およびサイバーセキュリティは堅調に推移したものの、ソフトウェア開発及びシステム運営管理などにおいて、大型プロジェクト5件の終了による6億2百万円の反動減があった。
営業利益は同54.5%減の2億31百万円。売上の減少にともなう利益の低下に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による、顧客企業のシステム投資計画の見直し等にともなう技術者の稼働率低下が影響した。売上高総利益率は、前年同期比1.5ポイント低下の22.7%、売上高販管費比率は、2.2ポイント上昇の18.7%となった。また、営業外収益で助成金収入の計上があったことなどにより、経常利益は同47.5%減の2億70百万円と営業利益の減益率よりも改善した。一方、特別利益で前年同期に計上した有価証券売却益が今四半期は計上がなかったことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は同57.8%減の1億37百万円と減益率が大きくなった。
サービスごとの業績動向(20/3期)
| 
 
  | 
 20/3期 第1四半期  | 
 21/3期 第1四半期  | 
 前年同期比  | 
||
| 
 増減額  | 
 増減率  | 
||||
| 
 システム運営管理  | 
 売上高  | 
 3,009  | 
 2,929  | 
 -79  | 
 -2.7%  | 
| 
 売上総利益  | 
 709  | 
 631  | 
 -78  | 
 -11.0%  | 
|
| 
 売上総利益率  | 
 23.6%  | 
 21.6%  | 
 -2.0P  | 
 –  | 
|
| 
 ソフトウェア開発  | 
 売上高  | 
 2,250  | 
 1,759  | 
 -490  | 
 -21.8%  | 
| 
 売上総利益  | 
 565  | 
 411  | 
 -153  | 
 -27.2%  | 
|
| 
 売上総利益率  | 
 25.1%  | 
 23.4%  | 
 -1.7P  | 
 –  | 
|
| 
 システム基盤  | 
 売上高  | 
 570  | 
 612  | 
 +42  | 
 +7.5%  | 
| 
 売上総利益  | 
 167  | 
 183  | 
 +15  | 
 +9.5%  | 
|
| 
 売上総利益率  | 
 29.4%  | 
 29.9%  | 
 +0.5P  | 
 –  | 
|
| 
 サイバーセキュリティ・ コンサルティング・教育  | 
 売上高  | 
 422  | 
 462  | 
 +40  | 
 +9.7%  | 
| 
 売上総利益  | 
 105  | 
 111  | 
 +5  | 
 +5.6%  | 
|
| 
 売上総利益率  | 
 24.9%  | 
 24.0%  | 
 -0.9P  | 
 –  | 
|
| 
 その他  | 
 売上高  | 
 310  | 
 116  | 
 -193  | 
 -62.3%  | 
| 
 売上総利益  | 
 39  | 
 -5  | 
 -45  | 
 –  | 
|
| 
 売上総利益率  | 
 12.9%  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
|
| 
 合計  | 
 売上高  | 
 6,562  | 
 5,881  | 
 -680  | 
 -10.4%  | 
| 
 売上総利益  | 
 1,587  | 
 1,332  | 
 -255  | 
 -16.1%  | 
|
| 
 売上総利益率  | 
 24.2%  | 
 22.7%  | 
 -1.6P  | 
 –  | 
|
※単位:百万円
システム運営管理の売上高は前年同期比2.7%減の29億29百万円。通信および公共関連既存顧客における新規案件の獲得や、金融関連既存顧客の体制強化にともなう増員があったものの、金融関連の大型プロジェクト完了にともなう1億1百万円の反動減が影響した。売上総利益も同2.0ポイント低下した。
ソフトウェア開発の売上高は前年同期比21.8%減の17億59百万円。既存製造関連プロジェクトへの増員による受注拡大があったものの、公共および金融関連既存顧客における、前期大型プロジェクト3件の完了にともなう4億13百万円の反動減が影響した。売上総利益も同1.7ポイント低下した。
システム基盤の売上高は前年同期比7.5%増の6億12百万円。公共関連既存顧客における新規案件の獲得や、運輸関連プロジェクトへの増員による受注拡大が寄与した。売上総利益も同0.5ポイント上昇した。
サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の売上高は前年同期比9.7%増の4億62百万円。サイバーセキュリティにおけるオペレーターの増員や製品販売の増加が寄与した。一方、売上総利益は同0.9ポイント低下した。
その他売上高は前年同期比62.3%減の1億16百万円。製品販売における前期大口受注の反動減や、金融関連の一部事業の終了が影響した。売上総利益は45百万円低下した(前年同期は39百万円の利益)。
営業利益の増減要因
 

※単位:百万円
第1四半期(4-6月)の業績推移

21/3期第1四半期(4-6月)は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け好調に推移した前年同期よりも売上、営業利益ともに減少したものの、過去の第1四半期の中では、高水準となった。
(2)サービス別受注残高の状況
| 
 
  | 
 2019年6月末  | 
 2020年6月末  | 
 増減額  | 
 増減率  | 
| 
 システム運営管理  | 
 2,582  | 
 2,616  | 
 +34  | 
 +1.3%  | 
| 
 ソフトウェア開発  | 
 1,361  | 
 833  | 
 -528  | 
 -38.8%  | 
| 
 システム基盤  | 
 449  | 
 389  | 
 -60  | 
 -13.4%  | 
| 
 サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育  | 
 242  | 
 371  | 
 +129  | 
 +53.3%  | 
| 
 その他  | 
 201  | 
 129  | 
 -72  | 
 -35.8%  | 
| 
 合計  | 
 4,838  | 
 4,339  | 
 -499  | 
 -10.3%  | 
※単位:百万円
2020年6月末の受注残高は、2019年6月末比で約10%減少した。サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の受注残高の増加が大きくなったものの、ソフトウェア開発の受注残高の減少が大きくなった。
(3)財政状態
財政状態
| 
 
  | 
 20年3月  | 
 20年6月  | 
 
  | 
 20年3月  | 
 20年6月  | 
| 
 現預金  | 
 4,689  | 
 5,291  | 
 短期有利子負債  | 
 859  | 
 2,563  | 
| 
 売上債権  | 
 4,250  | 
 3,629  | 
 賞与・役員賞与引当金  | 
 1,136  | 
 416  | 
| 
 たな卸資産  | 
 18  | 
 57  | 
 長期有利子負債  | 
 249  | 
 163  | 
| 
 流動資産  | 
 10,116  | 
 9,545  | 
 退職給付に係る負債  | 
 30  | 
 28  | 
| 
 有形固定資産  | 
 1,734  | 
 1,716  | 
 負債  | 
 6,519  | 
 6,325  | 
| 
 無形固定資産  | 
 1,249  | 
 1,413  | 
 純資産  | 
 8,730  | 
 8,716  | 
| 
 投資その他  | 
 2,150  | 
 2,367  | 
 負債・純資産合計  | 
 15,249  | 
 15,042  | 
| 
 固定資産  | 
 5,133  | 
 5,496  | 
 有利子負債合計  | 
 1,109  | 
 2,726  | 
※単位:百万円
20/6末の総資産は前期末比2億7百万円減少の150億42百万円。資産面では売上債権や未収入金の減少が変動要因の大きかったもの。負債・純資産面では未払消費税等、未払法人税等の減少が変動要因の大きなものとなった。有利子負債は、前期末比16億17百万円の増加となった。自己資本比率は57.7%と前期末比0.7ポイント上昇した。
(4)最近の主なトピックス
◎アクティブ・ティ株式会社の株式取得(孫会社化)
同社は、2020年6月29日開催の取締役会において、アクティブ・ティ株式会社の全株式を取得することを決議した。アクティブ・ティ株式会社は、名古屋を主な営業拠点とし、自動車業界や官公庁などに向けたソフトウェア開発を強みとしており、高度なエンジニア教育体制と強固な顧客基盤を持っている。今回の株式取得は、中部エリアを中心としたサービス力の向上ならびに顧客基盤の強化、エンジニアの増強による生産体制の拡大を図るものである。
株式譲渡契約は2020年6月29日、株式譲渡実行日は2020年6月30日。
◎株式会社GIテクノスの株式取得(子会社化)
同社は、2020年7月21日、会社法第370条および同社定款第25条(取締役会決議の省略)に基づき、株式会社GIテクノスの全株式を取得することを決議した。株式会社GIテクノス社は1973年に設立、通信キャリア業界や公共業界向けの基幹システムに関するソフトウェア開発からシステム基盤構築に加え、モバイルアプリケーション開発を強みとしている。こうした業界における豊富な実績と業務ノウハウを有する以外に、近年ニーズの高いクラウド関連技術者や、スマートフォン・タブレット向けのモバイルアプリケーション開発技術者を多数有している。今回の株式取得は、通信キャリア業界や公共業界を中心とした顧客基盤の強化に加え、市場ニーズの高いクラウドをはじめとしたシステム基盤分野の協業による事業の拡大、更にはモバイルアプリケーション分野における技術やサービスの共有が同分野のサービス力を更に高めると判断したものである。
株式譲渡契約は2020年7月21日、株式譲渡実行日は2020年8月3日。
4.2021年3月期業績予想
(1)連結業績
| 
 
  | 
 20/3期  | 
 構成比  | 
 21/3期  | 
 構成比  | 
 前期比  | 
| 
 売上高  | 
 26,377  | 
 100.0%  | 
 24,500  | 
 100.0%  | 
 -7.1%  | 
| 
 営業利益  | 
 2,073  | 
 7.9%  | 
 2,000  | 
 8.2%  | 
 -3.5%  | 
| 
 経常利益  | 
 2,111  | 
 8.0%  | 
 2,040  | 
 8.3%  | 
 -3.4%  | 
| 
 当期純利益  | 
 1,297  | 
 4.9%  | 
 1,190  | 
 4.9%  | 
 -8.3%  | 
※単位:百万円
※当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益
前期比7.1%の減収、同3.4%の経常減益の計画
21/3期の会社計画は、売上高が前期比7.1%減の245億円、経常利益が同3.4%減の20億40百万円の期初予想から変更なし。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークを想定したIT環境の導入・整備や、情報資産のクラウド化の加速などの新たなニーズが期待される一方で、ソフトウェア開発における新規案件の取りやめや既存案件の延伸、顧客からのコスト削減要請などのマイナスの要素が懸念される。こうした環境下、同社では顧客企業の本格的なIT投資再開は21/3期第2四半期以降になるとの前提で、今期の会社計画を策定。売上面では連結売上高の過半を占める「システム運営管理」及び「サイバーセキュリティ・コンサルティング」分野における新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であるものの、「ソフトウェア開発」及び「システム基盤」分野については、現時点で見込まれる顧客企業のIT投資方針の変更や、進行中の案件の延期・中止等の可能性を考慮している。
利益面では経費削減にむけた経営の合理化・効率化施策を実施し、売上高の減少による影響を軽減する見込み。営業利益は前期比同3.5%減の20億円を予想。売上高営業利益率は、同0.3ポイント上昇の8.2%の計画。
1株当たりの配当は、前々期から10円増加となった前期と同額の50円(上期25円と下期25円)の予想を据え置き。
(2)21/3期の方向性
同社は、ニューノーマル(新たな常態)へ適応し、ステークホルダー資本主義をスタートさせる。
21/3期は、「Next 50 Episode Ⅰ 覚醒 ! (Awakening !)」にこれまでとは全く違う視点で深くチャレンジする年にし、Waku-Wakuする未来を創造する。 
同社グループは、ニューノーマル適応に向けて、3つのキーワード(リモート、クラウド、時差)を掲げ、①従業員の働き方改革、②国内地方拠点を活用した業務改革、③海外拠点との時差を活用したサービス改革に取り組んでいる。
【働き方の持続的な変革】
| 
 多様なワークスタイルの創出  | 
 ニューノーマル時代の働き方を意識したテレワークとオフィスワークが併存するハイブリッド型環境を作る。フリースペース(The Forest Room)が拡大された職場環境を本社内に設けると同時に、テレワーク、時差出勤、サテライトオフィスの活用などの多様なワークスタイルの選択によって、最高のパフォーマンスを引き出すことを目指す。  | 
| 
 「New Pattern」「New Process」 に向けた改革  | 
従来の原本主義、押印プロセスを徹底的に見直し、ペーパーレス化をさらに強化。承認プロセスの簡略化、および公的なものを含めた最大限の電子承認化を推進。社内で構築した研修プラットフォームにより、技術研修を含めた社内研修のオンライン化を実施。
 この他にも、会社経営の新しい考え方に基づき、従来の業務プロセスの見直しを徹底的に行い、業務効率化と生産性向上を図り、環境改善とあわせて取り組んでいく。  | 
【国内地方拠点を活用した業務改革】
| 
 東京本社の業務分散化  | 
本社機能の一極集中を解消するため、東京本社の管理業務を山陰事業部(鳥取県米子市)へ一部移管。業務の特性に応じて、それぞれに適した場所(本社オフィス、地方拠点、サテライトオフィス、在宅など)で業務分散。地方での就労環境を構築し、より多様で柔軟な働き方を実現。 | 
| 
 IDクラウドセンター(仮称) の開設  | 
 新型コロナウイルスの感染拡大により、危機管理や事業継続に課題を抱える企業が増えている。緊急事態宣言発令による移動制限などの場合でも、顧客に安定したサービスを提供するため、鳥取県米子市内に「IDクラウドセンター(仮称)」を開設する。 長年蓄積してきたシステム運営管理のノウハウを活用し、地方拠点でのリモート運用サービスの提供を開始するとともに、現在本社にて実施している「iD-Cloud の運用サポート業務」、「リモート運用保守・ヘルプデスク業務」、「受託開発業務」を移行する予定。 ※2020年10月に運用開始を予定。  | 
※山陰事業部のある鳥取県西部地域を中心に、首都圏からの転入も含め、5年間で約40名の増員を予定しており、今後順調に進めば、約100名規模の増員も視野に入れている。
【時差(Time Difference)を利用したグローバルITサービスの提供】
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 システム開発プロジェクトにおけるグローバルイノベーションセンター(GIC)と海外拠点との共同開発の推進  | 
 今年4月に新設したGICは、アジア、北米、欧州の海外拠点と技術リソースを共有し、時差(Time Difference)を活用したプロジェクトを共同で推進し、開発期間の短縮や、イノベーションの創出を図る。  | 
| 
 海外拠点を活用したリモート運営管理業務の推進  | 
 クラウド技術を駆使し、24 時間 365 日のリモートシステム運営管理業務を、国内外拠点により協働して遂行し、新しいシステム運用業務モデルを創出する。  | 
ESGの取り組み
Waku-Wakuする未来創りのため、情報サービスの提供を通じて社会課題の解決に取り組むとともに、持続的な成長及び社会価値の創造を目指す。

(同社決算説明資料より)
5.今後の注目点
同社の21/3期第1四半期決算は、前年同期比10.4%の減収、同54.5%の営業減益の厳しい内容となった。システム基盤およびサイバーセキュリティは堅調に推移したものの、ソフトウェア開発及びシステム運営管理などにおいて、大型プロジェクト5件の終了があった。かねてよりシステム基盤およびサイバーセキュリティは新型コロナウイルス感染症拡大の影響は限定的と予想されていたものの、主力のソフトウェア開発及びシステム運営管理では、新型コロナウイルス感染症拡大により顧客企業のシステム投資計画の見直し等の影響が避けられなかった。前期に完了した大型プロジェクトの反動減をカバーするだけの仕事量を今四半期に獲得できなかったものである。しかし、緊急事態宣言の解除による経済活動の再開により、徐々に顧客企業のIT投資が再開されているものと推測される。経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」でも6月の情報サービス産業売上高は前年同月比の減少率が5月よりも大幅に改善している。今期の会社計画の達成に向け、回復傾向が強まってくるのか、続く第2四半期のソフトウェア開発及びシステム運営管理の業績動向が注目される。
また、同社のM&A戦略が加速している。同社は今期に立て続けに2社のM&Aを実施した。買収したアクティブ・ティ株式会社は、名古屋を中心に自動車業界や官公庁などの顧客基盤を有する。株式会社GIテクノス社は、通信キャリア業界や公共業界向けの基幹システムに関するソフトウェア開発からシステム基盤構築に加え、モバイルアプリケーション開発で強みを持つ。加えて、クラウド関連技術者や、スマートフォン・タブレット向けのモバイルアプリケーション開発技術者を多数有している。これら2社との間で今後どの様なシナジー効果が出てくるか注目される。更に、厳しい経済環境になればなる程、売却したい会社が増えてくるものとも思われる。同社では、今後も積極的にM&Aを実施し事業の拡大を目指す方針である。同社とシナジー効果が大きな魅力的な会社を買収することができるのか、今後の大型M&Aの動向が注目される。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成>
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 組織形態  | 
 監査役設置会社  | 
| 
 取締役  | 
 6名、うち社外3名  | 
| 
 監査役  | 
 4名、うち社外3名  | 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日: 2020年6月22日
<基本的な考え方>
当社では、「継続的に企業価値を高める」ことを経営における最重要項目と位置づけ、(1)経営と執行の分離による透明性と健全性の確保、(2)スピーディーな意思決定と事業遂行の実現、(3)アカウンタビリティー(説明責任)の明確化および(4)迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針として、コーポレートガバナンスの強化および監視機能の充実に取り組んでいます。なお、当社のコーポレートガバナンスに関する考え方を「コーポレートガバナンス・ガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)として取りまとめ、当社ウェブサイトにおいて公開しています。( https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.html )
<実施しない主な原則とその理由>当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則をすべて実施しています。
<開示している主な原則>
| 
 原則  | 
 開示内容  | 
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 【原則1-4政策保有株式】  | 
 (1)事業上の関係を維持・強化し、中長期的な企業価値の向上を図るため、当社グループの取引先等の株式を保有することがある。取締役会は、毎年個別の政策保有株式について、保有目的および保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、その結果を開示するとともに、継続保有の合理性が認められない場合は、適切な時期に当該株式の売却を実施する。 (2)政策保有株式に係る議決権の行使については、投資先企業のコーポレートガバナンス体制の整備状況や中長期的な企業価値の向上に資する議案であるかどうか、また、当社への影響などを総合的に判断することを基本方針とする。  | 
| 
 【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】  | 
 (1)経営理念に掲げる精神のもと、株主との実りある対話を実現するため、双方向のコミュニケーションの充実に努める。 (2)株主との対話に資するため、以下の情報を開示する。 ・中長期の戦略シナリオ、ビジネスモデル、企業価値向上の方策 ・経営上重視している財務経営指標 ・リスク情報 ・CSRならびにESGに関する情報 (3)株主とのコミュニケーションの充実を図るため、問い合わせ窓口を設置し、株主との信頼関係を醸成する。 (4)株主との建設的な対話を促進するため以下の方針を定め、実践する。 【株主との建設的な対話を促進するための方針】 株主との建設的な対話が、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう ①株主からの対話(面談)の申込みに対しては、株主の希望と面談の主な関心事を踏まえたうえで、合理的な範囲で社外取締役を含む取締役または経営幹部が臨むことを基本とする。 ②IR担当役員は、当社グループの関係各部署と協力し、建設的な対話の実現に努力する。 ③IR担当役員は、個別面談のほか、経営説明会等を開催し、IR活動の充実を図る。 ④IR担当役員は、対話において把握した株主からの意見・要望について、取締役会および関連する経営幹部へ適時適切にフィードバックするよう努める。 ⑤IR担当役員は、未公表の重要な内部情報(インサイダー情報)が外部に漏洩することを防止するため、当社の情報セキュリティースタンダードに基づき、情報管理統括責任者と連携を図り、情報管理を徹底する。 ⑥IR担当役員は、株式名簿に基づき、定期的に株主構造の把握を行い、取締役会に報告する  | 



