一六堂(3366 東証一部)
14 年2 月期は既存店売上高の低迷により減収減益決算
業態変更を含めた既存店の立て直しにより収益性の改善を図る方針
業種:小売業
アナリスト:柴田郁夫
◆ 漁港での「買参権」活用で他社との差別化
・一六堂(以下、同社)は、高価格帯の和食居酒屋「天地旬鮮八吉」を 主力業態として都心部を中心に18 業態79 店舗を直営展開している。
・漁港での買参権を活用した独自の鮮魚流通システムと、主要駅近くの 好立地エリアにドミナント展開する店舗戦略に特徴がある。
◆ 14 年2 月期決算は減収減益
・14/2 期決算は、売上高9,315 百万円(前期比7.2%減)、営業利益386 百万円(同50.5%減)、経常利益543 百万円(同49.6%減)、当期純利 益173 百万円(同66.0%減)と減収減益であった。
・大型宴会の減少や2 回転目以降の客数減少による席効率の低下で、 既存店売上高が想定以上に落ち込んだことが主因である。
◆ 15 年2 月期は増収増益を見込む
・15/2 期について、同社は売上高9,583 百万円(前期比2.9%増)、営業 利益472 百万円(同22.4%増)を予想している。既存店の巻き返しと新 規出店により増収増益を図る計画である。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、既存店売上高を同社 計画よりも保守的に想定し、売上高9,450 百万円(前期比1.4%増)、営 業利益450 百万円(同16.6%増)を予想する。
◆ 中期業績見通し
・当センターでは、14/2 期の実績を踏まえ、前回レポート(13 年11 月発 行)の中期業績見通しを減額修正するとともに、17/2 期の業績予想を 新たに策定した。17/2 期までの成長率は売上高が年率2.9%、営業利 益が同24.8%を予想する。
・14/2 期の期末店舗数が当センターの想定を下回ったため、15/2 期以 降の売上高予想を下方修正したが、毎期3 店舗増の出店予想に変更 はない。利益率は増収に伴う緩やかな上昇を予想した。