ダブル・スコープ(6619 東証マザーズ)
リチウムイオン二次電池用材料のセパレータを開発・製造する専業メーカー
スマートフォン向け中心に2014 年12 月期以降の成長路線回帰に期待
業種:情報・電気機器
アナリスト:高坂茂樹
◆ 2012/12 期は販売数量減で業績急落、第4 四半期は赤字転落
・2012 年12 月期の業績は、売上高2,325 百万円(前期比31%減)、営業 利益392 百万円(同70%減)、純利益368 百万円(同69%減)。第4 四 半期会計期間は売上高273 百万円、営業損失226 百万円であった。
・電気自動車(EV)の普及が進まず大型リチウムイオン二次電池(LiB)需 要が伸び悩み、A123Systems が破綻する等米国向け販売が急減。欧州 向け電子機器輸出への依存度高い中国LiB メーカーの成長も鈍化。こ れらの要因から販売数量が大幅に減少し、収益悪化を招いた。
◆ スマホ向けに重点移し新規顧客開拓に注力、収益貢献は来期に
・会社側の2013 年12 月期業績予想は売上高2,720 百万円(前期比17% 増)、営業利益324 百万円(同17%減)、純利益319 百万円(同20%減)。 EV向けは多くを期待できず、PC、携帯電話用LiB を製造する中国の既 存顧客向けを中心に、緩やかな回復を見込んでいる。
・スマートフォン(スマホ)向けLiB の高容量・低価格化を迫られる日韓大 手電池メーカーのニーズに応える新材料の提案で、新規顧客との商談 に手応え感じるも、収益貢献は2014/12 期になる公算大。当センターの 中期業績見通しは、再度1 期先送りした。
◆ 2 期先予想PER 14 倍という上場時株価評価が1 年後にも復活へ
・証券リサーチセンターでは、日韓大手電池メーカーとの間でスマホ用 LiB 材料の商談が成立し、来期以降に成長力を回復するとの楽観的な シナリオを想定。7 割近い限界利益率で利益は急成長する予想する。
・日韓大手電池メーカーとの契約を果たし、業績が本格回復に向かえば、 上場初値(2,300 円)の当期予想ベースPER25 倍、2 期先予想PER14 倍といった評価に復する可能性がある。
・当センターの14/12 期予想EPS を25 倍、15/12 期予想EPS を14 倍して 得られた1 年後の株価予想レンジは1,200~1,500 円である。