日本メディカルネットコミュニケーションズ(3645 東証マザーズ)
歯科と美容に特化したネット広告をベースに収益モデルの多様化に着手
業種:情報・通信業
アナリスト:馬目 俊一郎
◆ 収益源は歯科自由診療科の広告料に依存
・同社は医療ポータルサイト運営のエムスリー系列で、歯科と美容に特化したサイトを運営。事業セグメントは、歯科診療所やエステサロン広告の「ポータルサイト運営事業」と、顧客ホームページのSEO サービスやリスティング広告の「SEM 事業」、インプラント保証事業や人材キャリア事業などの「その他」で構成。
・同社の収益モデルは、インプラントや審美歯科など歯科自由診療の広告収入に依存。今後は広告収入を基盤に、新規事業のインプラント保証事業や歯科従事者向け人材キャリア事業に加え、新たにB to B ビジネスに参入するなど、事業ポートフォリオ拡充と収益モデルの多様化を急ぐ。
◆ 第2四半期決算は減益ながら計画を上回る着地
・13年5月期第2四半期決算は売上高が前年同期比1.6%減の516百万円、営業利益は同40.0%減の59百万円。SEM事業苦戦や先行投資負担で減収減益となるも、経費削減で会社計画を上回る利益水準を確保。
◆ 13年5月期は期初会社計画を継続
・13年5月期第2四半期決算は利益面で計画を上回ったものの、下期は歯科B to Bサイト立ち上げなのでコスト増が見込まれ、同社は期初の13年5月期計画を継続。
・当センターでは、主力のポータルサイト運営事業が想定内で推移しているうえ、新規3事業の短期的なポテンシャルが未知数のため、前回レポートの業績予想を継続。
◆ 中期的な適正株価水準は200円~280円を想定
・上場会社に競合が存在しないため、同業他社とのバリュエーション比較は困難。一方、足元の新興市場の平均予想PER17.5倍を参考に、同社の妥当株価バリュエーションはPER15倍~20倍と仮定。これに当センターの16年5月期予想EPS14.2 円に当てはめると、中長期的な適正株価水準は200円~280円のレンジを想定。