ウェブクルー(8767 東証マザーズ)
Webで集客してリアル販売で刈り取るビジネスモデル
業種:保険業
アナリスト:馬目 俊一郎
◆ リアル販売の「保険見直し本舗」が成長ドライバー
・自社運営の比較サイトで集客を募り、見込み客を顧客企業に紹介して得る送客手数料や広告料のほか、見込み客を対面やネットで取り込むリアル販売が同社の主な収益源。
・成長ドライバーは保険サービス事業。Web とリアル販売「保険見直し本舗」との連携で消費者ニーズを取り込み、新規出店で成長を牽引。
◆ 12年9月期は計画未達ながら52.5%営業増益
・12年9月期決算は会社計画には届かないものの、売上高が前期比 44.7%増の163.2億円、営業利益は同52.5%増の17.7億円と大幅に伸長。売上面では保険サービス事業の好調持続に加え、車関連事業の M&Aが上乗せされたほか、生活サービス事業の光回線販売なども寄与。利益面では保険見直し本舗の増収効果が主な増益要因。
◆ 13年9月期はブランド投資と業務提携でリアル販売を強化
・13年9月期の会社計画は売上高が前期比22.5%増の200.0億円、営業利益は同40.7%増の25.0億円を見込む。売上面では保険サービス事業のリアル店舗出店に加え、資本・業務提携で損害保険の集客力とリアル販売力を強化。利益面では保険見直し本舗のブランド強化に向けた TV 広告などのコスト増を、保険サービス事業や車関連事業などの増収効果でオフセットする計画。
・当センターでは前回レポートの中長期利益予想を減額修正。この要因は、保険見直し本舗のTV 広告など想定外のコスト増と、生命保険販売の新規獲得インセンティブ率ダウンが主な理由。
◆ 中長期的な適正株価水準は1,000円~1,300円を想定
・同社のビジネスモデルは、上場会社に類似企業が少なく、他社との株価バリュエーション比較は困難。現在の予想PER水準をフェアバリューの範囲内と仮定すると、当センターの16年9月期予想EPS128.7円を基にした中長期的な適正株価水準は1,000円~1,300円のレンジを想定。
・一方、新株予約権付社債の権利行使で、予想EPS が約10%程度希薄化される点には留意が必要。