ラクーン(3031 東証マザーズ)
アパレル・雑貨に特化したB to Bサイト「スーパーデリバリー」を運営
業種:卸売業
アナリスト:馬目 俊一郎
◆B to Bサイト「スーパーデリバリー」で効率的な卸機能を提供
・同社はアパレル・雑貨に特化したB to Bサイト「スーパーデリバリー」を運営する卸会社。会員制サイトのスーパーデリバリーは、メーカーや卸など売り手の「出展企業」と、買い手である「小売店」に「出会いの場」を提供するほか、代金決済や売掛債権の保証なども行う。
・事業セグメントは、コア事業であるスーパーデリバリーを運営する「EC事業」と、新規に立ち上げた「売掛債権保証事業」。今後は、外部企業との連携でスーパーデリバリー会員向けに仕入以外のサービス提供を計画するなど、利便性向上で会員組織の拡大を目論む。
◆ 第2四半期決算は大幅な営業増益を確保
・13年4月期第2四半期決算は売上高が前年同期比9.2%増の47.2億円、営業利益は同37.8%増の0.7億円、四半期純利益は本社移転費用 0.3億円の特別損失計上で同14.6%減の0.2億円となった。
・営業増益の主要因はEC事業会員組織の強化。売掛債権保証事業は事業強化に伴う経費増で減益となるも、EC事業の会員小売店増加に伴い出展企業数と商材掲載数も拡充。会員組織の収益基盤強化で全体の収益を牽引した。
◆ 13年4月期は11.3%増収、35.7%営業増益を予想
・同社は第2四半期決算が想定内だったことから、期初の13年4月期計画を継続した。当センターでは、会員小売店数の増加でスーパーデリバリーの事業基盤が強化されていることから、短期的な業績の下振れリスクは小さいと判断し、13年4月期は11.3%増収、35.7%営業増益を予想する。
◆中長期的な適正株価水準は111,000円~134,000円を想定
・上場会社に直接的な競合が存在しないため、同業他社との株価バリュエーション比較はできないものの、現在の株価水準から同社のフェアバリューはPER10倍~12倍程度と推察される。これを当センターの2016年4月期予想EPS11,177.2円に当てはめると、中長期的な適正株価水準は 111,000円~134,000円が想定される。