バリューコマース(2491 東証マザーズ)
国内アフィリエイト広告のパイオニアでPC向けに強み
業種:サービス業
アナリスト:馬目俊一郎
◆ ヤフーとの連携に特色
・同社はポータルサイト大手ヤフーの持分法適用会社で、国内アフィリエイト広告のパイオニア的存在。ヤフーとの協業を事業戦略の柱に据えるなど、PC向けアフィリエイト広告に強み。
・事業セグメントはアフィリエイト広告を展開するアフィリエイトマーケティングサービス事業と、ヤフーショッピング内のEコマースサイト向けサービスを提供するストアマッチサービス事業の2事業。2012年12月期第2四半期決算では、アフィリエイトマーケティングサービス事業が売上高の約85%を占めるとともに、営業利益の大部分を稼ぎ出すなど、当該事業が同社の成長ドライバーを担う。
◆ 12年12月期第2四半期決算は大口顧客の取り込みが奏功
・12年12月期第2四半期決算は売上高が前年同期比21.9%増の44.6億円、営業利益は同5.0%増の4.0億円で着地。これは売上高・利益ともに期初会社計画を上回る内容で、その要因は広告の企画・手法を丸受けするコンサルティングサービスの大口顧客獲得が進み、アフィリエイトマーケティングサービス事業が想定以上に伸長したため。
◆ 会社側は12年12月期計画を増額修正
・アフィリエイト事業のコンサルティングサービスが好調なことから、同社は12年12月期会社計画の売上高を85.4億円→90.5億円、営業利益8.3億円→8.8億円、経常利益9.0億円→10.1億円、当期純利益は5.2億円→6.0億円にそれぞれ増額修正した。
◆ アナリストは中長期業績予想を見直し
・アナリストはコンサルティングサービスの大口獲得が想定以上に進んでいることから、前回レポートの業績予想を見直した。主なポイントは、ヤフーとの連携強化で売上高を増額修正する反面、利益面では大口顧客によるボリュームディスカウントと値下げ競争を考慮して13年12月期以降の収益予想を減額修正。
◆ 短期的には自己株式取得が株価をサポート
・短期的には発行済み株式数の1割を超える自己株式取得が、株価をサポートすると予想される。一方、長期投資の観点から、アナリストの15年12月期予想EPS4,257円を前提にした適正株価水準は、34,000円~42,600円が想定される。