年内の米利上げ確率が70%超え
▣ 利上げを織り込む金融市場
CMEグループのFedウォッチツールによると、10月に入り60%台で推移していた米国の年内の利上げ確率が、20日には70%を超えました(図表1、2)。
昨年、米連邦準備制度理事会(FRB)は12月16日に利上げ開始を決定しましたが、年内の利上げ確率が60%台に乗ったのは11月5日。70%を超えたのは11月下旬。今年は10月3日に61%に上昇しており、昨年と比べ1か月先行しています。その分、年内の利上げに対する市場の織り込みは進んでいるとみられます。
昨年、米長期金利は、年内の利上げ確率が68%まで上昇した11月9日に一時2.37%まで上昇しました(図表3)。その後、利上げ決定まで利上げ確率が上昇していきましたが、長期金利は一進一退の動きになりました。ドル円についても、昨年11月9日に123円半ばまで上昇し、しばらく高値圏でもみ合った後、12月10日以降は、やや軟調な動きになりました(図表4)。
今年は、9月29日に1.56%程度に低下した米長期金利は、10月14日に1.81%程度まで上昇し、足元では1.7%半ば(図表5)。9月下旬に100円台前半だったドル円は、一時104円後半まで上昇し、足元では104円前後の動きになっています(図表6)。年内の利上げ回数については、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の見通しも市場の織り込みも1回で、11月ではなく12月のFOMCでの利上げが有力です。
仮に、12月のFOMCまで利上げ確率が上昇していったとしても、織り込み済みとして米金利やドル円の上昇が限定的になる可能性があります。
▣ 徐々に来年以降の利上げペースに関心が集まる
米国の年内の利上げが織り込まれる中、徐々に来年の利上げペースにも関心が集まりそうです。来年の利上げについては、FOMC参加者の見通しは年2回、市場の織り込みは年1回あるかどうかと、まだ乖離がある状況です。
QUICKが17日に発表した10月の外為調査では、金融機関(外為業務)のドル円の予測値は、10月末103.26円、12月末104.00円、来年3月末104.28円と緩やかなドル高円安傾向が継続する見通し。一方、事業法人は10月末103.55円、12月末103.67円、来年3月末103.06円と、年内はドル高・円安地合いとの見方ですが、年明けはドル安・円高との予想。一段のドル高・円安の進行は、来年の米国の利上げペースが左右しそうです。
次にFOMC参加者の政策金利見通しが公表されるのは12月のFOMC(13-14日)。米金融当局者は、年内に利上げしたとしても、利上げペースは緩やかとの見方を示していますが、”緩やか”の度合いは定まっていません。米金融当局者の発言、11月のFOMC(1-2日)、そして12月のFOMCで公表される政策金利見通しなどから、利上げペースを探っていくことになります。
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