いよいよ業績相場に突入へ

2014/07/24

東京も梅雨明け宣言がなされた。いよいよ夏本番と同時にマーケットも第1四半期決算が本格化し、業績相場へ突入である。

さて、まずは6月のモデルポートフォリオのご報告から。6月のマーケットは日米市場とも続伸の展開となった。

米国市場は5ヵ月連続の上昇となり過去最高値を更新。5月の雇用統計が+21.7万人とほぼ予想通りで着地し、2月から4ヵ月連続で20万人台を維持したことで安堵感が広がった。経済指標はまちまち。製造業・非製造業景況感指数や新築・中古住宅販売件数が好調だった一方、小売売上高は予想を下回り1-3月のGDP確報値が下方修正された。また世界銀行が2014年の世界経済成長率見通しを3.2%から2.8%へ引き下げた。これにより利益確定売りが増え、上値が重くなる展開に。FRBによる7月からの資産買い入れ額は月間450億ドルから350億ドルへと削減が決定したが、ほぼ既定路線でありゼロ金利維持はしばらく続くとの見方が強まった。6月末におけるダウは16826ドルと前月より109ドル上昇し月間騰落率は+0.7%。ナスダックは4408ドルとなり165ドル上昇の+3.9%となった。

日本市場は今年初の2ヵ月連続の上昇となった。売買代金は2兆円を割り込む日が目立ったものの5月の流れを引き継いで、買戻しの展開となり日経平均は2ヶ月ぶりに15000円台を回復。安倍内閣の成長戦略への期待から年金基金や海外投資家からの買いが見られが、6月相場で最も顕著だったのは新興市場に個人投資家からのホットマネーが流れ込み、投機的な色彩が強くなった点である。ただし、月末にかけては利益確定売りで上値が重くなった。為替は101.30~102.80円での極めて狭いレンジの動きとなった。6月の日経平均は14632円で取引を終え、5月末の14632円から529円上昇し月間騰落率は+3.6%。また、Topixは+5.1%上昇した。一方、小型株市場はジャスダック平均が+7.3%、マザーズ指数は+16.0%となり新興市場の値上がりが目立った。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における6月のパフォーマンスは+8.5%となり、年初来は-3.0%(5月末-10.5%)、累計では+132.7%(5月末+114.5%)と大きく盛り返した。保有株式のウェートは5月末の74%から81%へ上昇。ヘッジ戦略をおこなっていないため、ネットロング比率は81%となった。

6月は今年初の2ヵ月連続の上昇となった。5月中旬までは年初来安値を更新する展開が続いていたのとは様変わりであり、ようやく上昇トレンドが形成されつつある。米国経済が堅調であることに加えて、懸念されている中国もやや持ち直しの動きが出ている。唯一、頭の痛いのが円高が是正されないことである。ECBが政策金利を0.25%から0.15%へ引き下げると同時に、民間銀行がECBに資金を預ける際の金利が-0.1%と初のマイナス金利としたため日本も世界的な金融緩和競争に巻き込まれている。しかし、対ドルでは今後米国の金融緩和縮小により現在異常に低水準にある米国債10年物の利回りは徐々に3.0%を目指す展開が予想され、円安の方向に進むだろう。

7月に入ってからポルトガルにおける金融不安、ウクライナでの民間航空機墜落やイスラエル情勢悪化により外部環境不安が高まっているが、日経平均は薄商いの中でも15000円台を維持しており下値は堅い。

いよいよ1Q決算が本格化するため業績相場へ移行する。ポートフォリオ銘柄の確認をしっかりおこない、一段のパフォーマンス向上のための組み入れ変更も併せておこなっていきたい。年4回の決算発表は自らの運用力が試されると同時にパフォーマンス向上を図るための飛躍のチャンスである。

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